安全地帯(132)
−信濃 太郎−
年賀状有難うございました
今年も多数の年賀状を頂いた。出さない方々が多いので申し訳ないと思っている。「賭けない、飲まない、吸わない」をモットーに健康麻雀の普及に努めている田辺恵三さんの年賀は興味深かった。京劇の名優で麻雀が大好きな梅蘭芳が日本人に贈った特製の麻雀パイが千葉県岬町の「麻雀博物館」にあると始めて知った。法政大学教授で麻雀博士といわれる江橋崇さんの話によると、パイは大ぶりで、彫りも深く、字体も上質である。福建省の麻雀パイのデザインが基本になっているが「東」「南」「西」「北」に代えて京劇の演目に由来して「遊」「龍」「戯」「鳳」と彫られ「発」「中」の代わりにずばり「演」「劇」となっているという。梅蘭芳は親日家であった。戦前軍部の公演依頼にはチフスの予防注射を3本も打ち高熱を出して拒否したり、ヒゲをはして抵抗したりしたが、戦後来日した際、広島で予定外の義援公演をして広島や長崎のために救援活動をしている。
毎日新聞社会部時代の友人竹内善昭君からは昨年11月本庄生まれ、本庄育ちの幼友達4人と「喜寿四人展」を開いたと知らせてきた。俳句、書、写真など120点を展示、2日間で市長を始め600人がみてくれたという。いささか旧聞だが、展覧会を開くという気持ちが素晴らしい。竹内君は「人生晩年には、地位も名誉もいらず、気の許せる友人を沢山持っている事がどれほどその人の人生を豊かなものにするか、一番大切なのは友人だということを今更のように実感した」という(同封の「たつみ会会報」・第26号より)竹内君の句
喜寿なれば背筋正して屠蘇祝
なんとまあ孫快走す運動会
あとの三人も俳句を嗜むようであるので夫々一句づつ掲載する。
若き日の夢かき立てし鬼やんま (岩本英人)
こがれたる花見を果たし吉野山 (茂木孝一)
大宇宙へ一蓮托生鳥帰る (野口 茂) |