娘が仕事をしているので小学生になる孫は学童保育を利用していた。授業が終わると学校内にあるプレハブの教室に直行して、そこでおやつを食べたり、宿題を済ませたり、遊んだりして5時には家に帰る。でも、その学童保育は3年生までで、その頃までは学童で出るおやつや、夕飯までにちょっとしたお菓子を食べていれば済んでいたらしいが、4年生になり、学校が終わってからサッカーの練習などに通うようになると、普通のお菓子やパンでは物足りなく、とにかくお米が食べたいらしい。
そこで娘は、余分に炊いておくので朝の残りのご飯を食べても構わない、その代わりに炊飯器を空っぽにしたら、必ずお米をといで、スイッチを入れて置くことを義務づけたと言う。今は少数と言えど、男性の育児休暇や早退などを認める会社も増えている。将来、ますます女性の社会進出が進むと、これからの男性は母親や女房がいなくては何も出来ないと言うのでは本人が一番困ることになる。もともと、その孫は食べ物に興味があり、お菓子作りをしていても手伝いたがるので、そう苦にならずそれらのことが出来るらしい。それが当たり前のこととして出来るようになれば、本人の将来にとっても望ましい。
その代わり、最初の失敗を咎めないこと、これが鉄則だろう。とにかく娘は誉め上手だ。「あなたがこんなことが出来るようになって、本当にママは助かって嬉しいわ」と、こちらが聞いていて歯が浮くようなセリフを口にする。人は、特に子供は誉められて悪い気はしない。今ではサッカーから戻ると、自分でシャワーを浴び、汚れた衣服は洗濯機に入れて置くという。
娘がこんなに子育てに向いているとは思わなかったが、そう言えば子供がようやく物の名前を覚え始める頃に頭・鼻・目・耳・口・お腹・足・手などの名称をチキンと教え、もし痛いところがあった場合に、ただ泣き叫ぶだけでなく、それを言葉で第三者に伝えられるようにと。こと、食に関しても同じことなのだろう。
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