2005年(平成17年)9月20日号

No.300

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お耳を拝借(141)

「リサイクル?」

芹澤 かずこ

  リサイクルを辞書で引いてみた。「いったん使用され廃物となったものを回収して、再び資源として利用すること」また「広義では、日常生活の不用品をそのまま他の者が譲り受けて利用することも指す」とある。この後者の方は、リサイクルショップがあって売ったり買ったり双方大いに利用しているが、何でもかんでもショップに持って行けずに仕舞い込んでいるものが結構ある。
 例えば、踊りの会などで頂く名入りの手拭や外国土産の類。手拭は染物なら同じ色合いを裏表2枚合わせてテーブルセンターなどにしたり、亀甲模様に般若の面があるものはその面がうまく出るように畳んで電話の上に乗せている。でも白地に名前だけのものはなかなか使い道がない。三津五郎さんや猿若さんや国太郎さんのものを、ふきんにするわけにはいかないし。
 先日ネットショップで購入したデジタルピアノに付属としてカバーが付いて来たが、これが何とも面白くないベージュのカバー。別のものに取り替えたいと、仕舞い込んであるものをかき回したら手頃なものが見つかった。もう十数年も前に頂いた中国か韓国土産のテーブルセンターで、光沢のある紅白の生地に刺繍の縫い取りがしてある。ただテーブルに敷いたのではすぐにシミをつけてしまいそうで、使わずに仕舞いこんであったもの。
 一枚では短いし、この2枚をどう組合せたらよいか。中央で接ぐか、それとも白を基調にしてピンクをあしらうか、ああでもない、こうでもないとやっていて結局ピンクをそのまま使って両端に白を持ってくることにした。刺繍の柄が民族衣装を纏った男女が楽器を奏でているものと、月夜に若い女性が輪になって踊っているものなので、ピアノのカバーにはそれこそお誂え向き。普段灯りをつけないとやや薄暗い廊下が、ぱっと華やかになった。これって廃物利用ではなし、他人から譲り受けたものでもなし、それでもやっぱりリサイクル??



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