2005年(平成17年)4月10日号

No.284

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お耳を拝借(128)

「有意義な一日」

芹澤 かずこ

 遅い寝起きのカーテンを開けると、前日まで僅かな兆ししかなかった隣家の桃と、向かいの桜が見事に開花して眩しいほどの陽射しを浴びている。
 そうだ、呑み川へ散策に行こう。2,3日疲れで鬱々としていた気分を晴らすにはこれに限る。なかなか咲かない桜を待ちわびてお花見に行きたいね、と友人からメールが来ていたが、明日の天気の保障はないし、夕方には別の約束があるので、人を誘ったりしている余裕は無い。歩き易い靴に、ペットボトルとお財布とカメラを持って家を出た。
 246号線の玉川通りを渡って、呑み川親水公園の川沿いを歩く。子供連れ、若いカップル、車椅子を押している人、お昼近いのでもう帰り道の人が多い。浅い川にはカルガモが遊び、爽やかな風に桜の花びらがちらちらと舞っている。日体大のグランドを右に見て、呑み川緑道の桜並木をさらに進んで、目黒区の八雲に入る。この辺りまで3キロぐらいだろうか、少し汗ばんで何とも気分がいい。
 もと来た道を戻るのも能がないと、都立大学駅から東急東横線に乗って中目黒で下車。昔、住んだことがある目黒川沿いの桜を楽しんで漸く246沿いへ出て、東急玉川線の池尻大橋から戻ってくる。急いで出かけて万歩計を付けずに行ったので歩数は分らないが、以前に昭和記念公園を歩き回った時は12000歩。それより歩いた気がするが、一人だったせいもあるかも知れない。
 少し休んでから品川プリンスホテル・クラブeXのセレクション『タンゴドリームス 永遠に』のショータイムを堪能し、鬱々とした気分はすっかり晴れあがった。



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