2005年(平成17年)2月10日号

No.278

銀座一丁目新聞

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お耳を拝借(122)

「急停車にご用心!!」

芹澤 かずこ

 電車は普通に走っていても横揺れがして、体の平衡が保てないことが多いので、努めてつり革や手すりに掴まるようにしているが、朝のラッシュではそれも侭ならない。
 その日も、つり革にあぶれて押しつぶされそうになりながら、不安定な状態で揺られていたら、それこそ突然の急停車。とはいってもなにが起こったのか分らぬまま、ダダダ〜ッとなぎ倒された。
 生憎と進行方向に背を向けていたため、後ずさりの状態で何歩かは踏み止まったものの、耐え切れずにそのまま仰向けに倒れてしまった。それでも混んでいて人が折り重なって倒れたので、怪我をするまでには至らなかったが、傘とバックを持ったまま容易に起き上がることが出来ず、若い女性が「大丈夫ですか」と手を貸してくれた。靴が片方脱げて探している人もいた。
 このときの急停車は、ドアに乗客の傘が挟まったままで発車したため、感知装置が働いて急停車したようであるが、傘は洋服などと違って骨組みのあるもの、ドアを閉めた時点で異常は感じなかったのだろうか。車内には確かに「電車は事故防止のため、急停車をすることもありますので、つり革や手すりにお掴まりください」とは書いてあるが、混雑している時にはつり革や手すりはとても人数の比ではない。
 それからは、何がなんでもつり革を確保することに心がけ、時には遠くからでも手を伸ばすので迷惑そうな顔をされるが、それには無視を決め込んでいる。毎日、車内を見回すと携帯メールに夢中になっている無防備な若い人をよく見かけるが、危ない、危ない!!自分の身は自分で守らなくちゃ。



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