2004年(平成16年)8月10日号

No.260

銀座一丁目新聞

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競馬徒然草(23)

―この夏の快(怪)記録― 

  人気馬が負けても珍しくもないが、26連敗となるとこれはちょっとした記録だ。7月11日、福島競馬場で行なわれた七夕賞(GV、芝2000メートル)は、過去25年間、1番人気が負け続けていた。そこで今年はどうかと注目されたが、またも1番人気が敗れ(メジロマントル、4着)、1番人気26連敗の大記録となった。1着チアズブライトリー(8番人気)、2着ストロングブラッド(9番人気)で、馬単2万2990円の波乱。配当は枠連、馬連、3連複とも万馬券。この1番人気26連敗の記録、来年も更新されるだろうか。
 さて、その翌週(7月18日)、西の小倉競馬場で今度は名誉ある記録が飛び出した。北九州記念(GV、芝1800メートル)で、ダイタクバートラムが1分44秒1のレコード。しかも、6番人気だったために、配当も波乱のおまけ付き。馬単1万1590円、3連複1万9760円。2,3着がメイショウカイドウ(3番人気)、メイショウブライド(8番人気)の「メイショウ」勢で、1番人気のユートピアは5着、3冠牝馬のスティルインラブは12着だった。また、このレースには、蛯名騎手(オースミコスモ)のJRA全場重賞制覇(4人目)の期待がかけられていたが、4着に敗れて全場制覇の記録はお預けになった。
 なお、優勝馬ダイタクバートラムの父(ダンスインザダーク)は、先日行なわれたセレクトセールで、産駒が史上最高額の4億9000万円で落札され、話題になったばかり。父のダンスインザダークを管理していた橋口調教師が、その産駒での重賞勝ち。これはツルマルボーイの安田記念に続いての2勝目。また、橋口調教師にとっては、今回の北九州記念が7つ目の重賞勝ち。小倉競馬場での最多重賞勝利調教師ともなった。喜びひとしおのようだ。
 このダイタクバートラムで優勝した小牧騎手についても、触れなければならない。小牧騎手(36)は今年3月、公営・園田からJRAに移ったばかり。いわばルーキーだが、先輩のアンカツ(安藤勝己騎手)に続く活躍を期待したいものだ。今回のレースでは、ゴール寸前、武豊のメイショウカイドウをハナ差、差し切っている。しかも、レコードタイム。文句のつけようもない。この地方から中央入りした「36歳のルーキー」には、励まされる想いのファンも多い。

( 新倉 弘人)

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