参議院選挙がたけなわである。争点は年金問題と多国籍軍参加問題だと新聞は伝える。小泉首相は「改革路線への信任を国民に問う」選挙と位置づけた(6月24日・日本記者クラブでの党首討論会の発言)。私は小泉首相説に賛成である。年金問題で多少風向きが変わってきた感じはする。たしかに内閣支持率が急落、40パーセントとなり、不支持率42パーセントで、はじめて不支持率が支持率を上回った(6月22日朝日新聞世論調査)。政党支持率を見ると自民30パーセント(前回5月23日調査では37パーセント)民主15パーセント、公明4パーセント、共産2パーセント、社民1パーセント、無党派層48パーセントとなっている。自民党の支持率は民社党の支持率の2倍で、自民党の優位は崩れない。問題は無党派層の投票行動である。無党派層は実に味な行動をとる。賢明なのである。昨年11月の衆院選挙では50パーセント以上が民主党に流れたが今回はどうなるか。
タレント候補を立てるのは選挙戦術上許される方法である。別に非難するに当たらない。あげつらうほうがおかしい。小泉ブームは去ったといわれる。3年前ほどの熱気はない。いろいろ批判があるにしてもここまで持ちこたえてきたのは、改革が少しづつながら進み、それなりの成果をあげたからである。諸悪の根源といわれたデフレと不良債権も何とか押さえ込み、危機を回避しつつある。案外、見逃せないのは「小泉内閣メールマガジン」である。若者達が見ているからである。第145号にはこんな記事があった。シーアイランド・サミットでカナダの首相に「ミスター小泉、あなたは本当にプレスリーが好きなのか」と聞かれたとか、イタリアのベルルスコーニ首相とはオペラの作曲家ヴェルディ、ヴァオリンのパガニーニの音楽の話をしたことなどが紹介されている。パガニーニの天才ぶりは全ヨーロッパを驚倒させたほどで、その中の狂想曲は名曲といわれている。このような話の方が若者には受ける。小泉さんの教養に感心する。「人生いろいろ・・・」の答弁にしても、ふざけているとは思わず上手く切り抜けたと思うぐらいである。
先の北朝鮮訪問にしても屈辱的外交といわれるが、相手国を考えれば「韓信のまたくぐり」(大事を達成するため我慢すること)として評価できる。曽我ひとみさんと夫ジェンキンスさん一家のインドネシアでの再会実現は小泉首相にとってプラスに働く。低投票率が予想されている。とすれば、自民党、公明党に有利ということになる。だが選挙は水もの。いずれにしても7月11日国民の審判は下る。 |