2004年(平成16年)7月1日号

No.256

銀座一丁目新聞

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競馬徒然草(19)

―新種牡馬への期待― 

  6月19日から函館、福島、阪神の3競馬場で、今年の2歳戦が始まった。今年の2歳馬が初年度産駒となる種牡馬を新種牡馬と呼ぶが、その新種牡馬の産駒もデビューとあって、話題となっている。
 今年の新種牡馬は、実に59頭を数える。これほど多いのは空前のことだ。しかも、短距離、中距離、長距離、芝、ダートなど、さまざまなタイプのレースでの一流馬が揃っている。血統的にも多種多様だ。大種牡馬サンデーサイレンスが死亡したため、これに代わる種牡馬が続々と名乗りを挙げた感がある。2歳戦を見るとき、未来の大物を探すとともに、新種牡馬が気になるが、どれが有望だろうか。
 新種牡馬の中にも、1年だけのリース共用、初年度日本で共用された後に2年間ヨーロッパとオーストラリアにリースされているもの、今年になって死亡しているものがあり、国内でのデビュー数もまちまちだ。活躍のほどは別として、産駒の数が多いほど人気があるとはいえそうだ。
 そこで、参考までに、産駒の数が多い順に上位を挙げてみると、有馬記念を2連覇したグラスワンダー(143頭)を筆頭に、フレンチデピュティ(127頭)、高松宮記念のキングヘイロー(106頭)、スプリンヤーズSのマイネルラヴ(101頭)、ダービー馬のアドマイヤベガ(88頭)、輸入されたパントレセレブル(75頭)、スキャターザゴールド(68頭)といったところ。
 さて、すでに始まった2歳戦。どの馬が勝ち名乗りを挙げただろうか。1週目は函館でスズカブルーム(父スキャターザゴールド)、スキップジャック(父メジロライアン)。福島でコスモスパーブ(父キンググローリアス)、マイネルレコルト(父チーフベアハート)。阪神でパノラマビューティ(父ダンスインザダーク)、エイシンヴァイデン(父タッチゴールド)。このうち新種牡馬の産駒は、スズカブルーム(父スキャターザゴールド)1頭だけ。
 2週目はどうか。新種牡馬産駒で勝ったのは、コスモジェントル(父トーヨーシアトル)1頭だけ。これは福島で、函館と阪神ではゼロ。まだ2歳戦が始まったばかり。しかも評判馬のデビューがまだなので、話題を呼ぶのはもう少し先のことになりそうだ。なお、人気上位の新種牡馬のうち、マイネルラヴの産駒2頭が函館2週目に2着と3着。スキャターザゴールド産駒の人気馬1頭が福島で8着に敗れている。
 種牡馬の世界の生存競争も厳しく、産駒の活躍数が伸びなければ種牡馬としての人気も下降し、生き残りが難しくなる。ここしばらくは、新種牡馬産駒のレースぶりに注目してみたい。

( 新倉 弘人)

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