2004年(平成16年)4月1日号

No.247

銀座一丁目新聞

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山と私

(4)
国分 リン

−春を感じた倉見山−

  スポニチ登山学校七期生もいよいよエキスパートコース・3月末の谷川岳へ向け、今年初の足馴らしを兼ねて、低山とはいえ600m地点から1256.2mの倉見山(富士を間近に見える山)を今回リーダーの2人が選択した。10人の参加者は高尾駅始発の河口湖行きの電車に乗り込んだ。今年の2月の最終週は4月上旬の気温の日が続いて暖かい。2月28日も晴れで気温も4月中旬並の予報でした。大月から富士急行へ乗り入れ車窓から見える大きな富士山に歓声を上げた。東桂駅で下車し鹿留へ向かい歩き出す。
 登山口のある墓の前で場所を借りてストレッチをし登り始めた。いきなりのジグザグの急登である。久しぶりの登りはきつい。風も無く暑く皆で衣類の調節をした。最初の40分の急な登りで仲間の一人が気分が悪くなり皆で手分けをして荷物を持ち、心配したが休憩したら落ち着き歩けるの声で続行。その後はゆっくりペースを合わせて歩いた。ミズナラのたくさんの落ち葉やどんぐりの上を音をたてて歩く。この時期の楽しみは広葉樹の葉が全て落ち見通しがよく、落ち葉のクッションのおまけである。送電鉄塔の建っている草地を過ぎ歩きやすい尾根を通り1時間程で最後の急登を慎重に歩くと倉見山の頂上へ着いた。頂上から待望の富士山が大きな雄姿を現した。でも気温が高いので春霞のように靄がかかり、例年2月の冷気の富士の姿ではないのがとても残念だ。いつもなら雪も積もっている時期である。頂上は狭いので5分ほど南へ下り見晴らしの良い所で昼食タイム。急いで三脚をセットしカメラをつけて先ずは1枚。でも10分もしない間に富士山が姿を隠してしまい驚いた。写真はやっぱり早朝で無いと駄目だと深く反省した。
 気を取り直し快適に尾根を下り相定ヶ峰へ着き道を間違えて進んだら仲間の一人が指摘をし軌道修正をした。分岐の所は枝が交差して置いてあり、その奥はとても藪っぽく地図と磁石で方向を確認しないと間違いやすい所でとても勉強になった。
 30分程堂屋尾根のヤブの中を歩き、ヒノキの植林地にはいると途端にヤブがなくなり歩きよい。春一番の強風に屋根のトタンが殆ど剥がれたあずまやの前に置かれた倒木で休憩。その頃から風が冷たくなり富士山が見えるよの声で探すとほんのりと姿を見せた。
 そこから10分程で富士見台へ、そこからの富士山は裾野の広がりが素晴らしい。その辺りから大きな木が伐採され桜の苗木がたくさん植えられていた。とても残念な気がした。桜が大きくなり花をつけたら、この静かないい山はなくなってしまうだろうな。自然を壊して人為的な物は私はいやだな。これを除けば雪も無く歩きやすい山行で目標の時間通り、とても良いトレーニングになったと思う。
 

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