2004年(平成16年)4月1日号

No.247

銀座一丁目新聞

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お耳を拝借(101)

「ちょっとだけ言わせて」

芹澤 かずこ

 

  春休みのせいか朝の通勤電車にも小、中学生の姿が多い。女の子たちはなにやら楽しそうにお喋りをしていて見ているこちらの気分も明るくなるが、男の子たちの中には大挙して座席を占領したり、悪ふざけを注意する引率の大人を馬鹿にしたり、マナーの悪い子もいて、NHKの番組に「親の顔が見てみたい」というのがあったが、それこそどんな親に育てられたのか見てみたいものだと思った。
 他にもよくみかける光景に、子供たちをまず座らせて親が立っているというのが多い。まだ幼い子供なら体が安定せずゆらゆらしているから立ったままでは却って危なっかしいが、小学生ともなれば立っていられないことはない。最近は家族構成が極めて少なく、家庭の中において老人や弱者を労わる風習が育たないためか、外へ出ても他人に対して無関心になってしまうものらしい。目の前に辛そうに立っているお年寄りがいても、何も感じないように座っている。
二男の通っていた学校は最寄の駅からバスを利用したが、例えすいていても生徒は座席に腰をかけてはいけない規則になっていた。長い距離ではなかったから若い学生が立っているのもいいとは思ったけれど、他人を思いやる気持ちを育てるには規則で座らせないのではなく、座っても気軽に席を譲れるよう躾るべきだと思った。でもこれは学校側に要求すべき事柄ではなく、家庭での子供の頃からの躾の有り様だと思う。
 



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