2003年(平成15年)12月20日号

No.237

銀座一丁目新聞

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競馬徒然草(36)

―2歳馬の代表― 

  今年も残り僅かとなった。競馬のカレンダーでは、12月28日の有馬記念(GT・中山、芝2500メートル)が最終日を飾る。3歳以上馬の日本一を決めるレースで、年度代表馬の名誉もかかっている。暮れも押し詰まる28日の開催となったことで、ファンの盛り上がりが期待されている。どんな記録や話題が生まれるだろうか。
さて、2歳馬に眼を移そう。こちらのほうは一足早く、牝馬と牡馬のナンバーワンを決めるレースが行われた。まず、12月6日に行なわれた、牝馬の阪神ジュベナイルF(GT・阪神、芝1600メートル)。これまでに1400メートルまでのレースしか経験していない馬が多く、1600メートルの距離をどう克服するかが1つのポイントだった。1番人気はスイープトウショウ(角田)だったが、2戦2勝の成績が買われてのもので、1600メートルの距離は初。そこに一抹の不安があった。しかも出遅れ癖のある馬が、内側の2枠。馬群に包まれる危惧も予想された。直線での不利もあり結果は5着で、不安が的中した。勝ったのは8枠のヤマニンシュクル(四位、6番人気)で、直線一気の追い込みを決めた(1分35秒9)。1600どころか1800メートルのレースも経験している(しかも2勝)実績が、ダテでないことを示した。
2着は同じ8枠のヤマニンアルシオン(岩田、10
番人気)。果敢に逃げの手を打ち、逃げ残った(首差の同タイム)。ともに浅見厩舎所属だから親子丼。しかも同じ馬主(土井肇氏)だから、ダブル親子丼という珍しい記録となった。馬券も高配当で、馬連が1万9700円。3連複となると、3着に
12番人気のコンコルディア(柴田善)が入ったため
37万6760円の超高配当となった。この波乱から考えると、現時点における2歳牝馬2歳の代表は決まったとはいえ、来春の桜花賞までには、また新たな実力馬が名乗りを上げてきそうだ。
 牡馬の朝日杯FS(12月14日、中山・芝1600メートル)のほうは、4連勝中のメイショウボーラー(ペリエ)が1番人気になり、ゴール前まで逃げたが、4番人気のコスモサンビーム(バルジュー)に交わされて2着。豊かなスピードは見せたものの、直線の坂がこたえたようだ。勝ったコスモサンビームは、3番手を追走するスピードを持ち、なおかつゴール前でも伸びる脚が光った。今後の予定は、来春のニュージランドT、NHKマイルCだというが、最有力だろう。ところで、またしても関西馬が1,2着を占め、西高東低が続いている。その中で、関東馬のアポインテッドデイ(柴田善、10番人気)が3着に食い込んだのはせめてもの救いだった。まだ馬に若さがあるので、今後に期待がかかる。私事をいえば、デビュー時から注目していた馬である。来年も声援を贈りたい。皆さんも、アポインテッドデイの名をお忘れなく。きっといい夢を運んで来てくれるだろう。

(戸明 英一)

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