高校時代の恩師が最近奥様を亡くされた。自分の方が年上だから当然先に逝くつもりでいた、とまだ日が浅いせいもあって喪失感と戸惑いが感じられた。
配偶者の死後、男性は亡くなった妻を思いながら生きるが、女性は自分なりの新たな人生を歩みだすと、東京都老人総合研究所の15年に及ぶ追跡調査の概要が毎日新聞の家庭版に載っていた。
立ち直りに明らかな男女の差がある。男性は3回目の調査でようやく82%に達したのに比べ、女性は1回目の調査で78%が立ち直っていて、3回目では98%に達している。
配偶者の死の影響を「マイナス」と答えた男性(78%)は、その理由を「仕事の補佐役、家事の荷い手、心の支えの喪失」など。女性(38%)は、「家庭生活の質の低下」が最も多い。逆に「プラス」と解答した男性(22%)は、「自由、気楽な生活」を挙げ、女性(62%)は、「活動や人との交流が活発化した」、「夫の暴力や看病からの開放」などを挙げている。
今後の生き方も、男性は「素晴らしかった思い出の中に生きる」と消極的で、女性は「違った人生を与えられたので自分の人生を大切にする」と前向きである。
自身のことに置き換えてみても、立ち直りの早さは否めない。薄情だとは思いたくないが、男性より女性の方が、いざと言う時の肝っ玉の据わりようが違うのかもしれない。
|