花ある風景(134)
並木 徹
今こそ教育基本法の改正を
「日本の教育改革」有識者懇談会主催の「今こそ教育基本法の改正を」緊急集会に出席した(6月25日、東京・憲政記念館ホール)。各界からの提言を面白く聞いた。
聖路加看護学園理事長、日野原重明さんの話。「日本の医学の水準は低い。研修医の研修が終わった時点での学力はアメリカの大学の医学生3年生程度である。アメリカでは1901年から100年間にノーベル医学賞受賞者が300人も出ているのに日本は一人しか出ていない(1987年、利根川進さん受賞)。しかも医学部出身者ではない(利根川さんは京大理学部化学科卒)。このままでは差は開くばかりである」
博報堂岡崎研究所所長、岡崎久彦さんの話。「教育基本法の改正の眼目は愛国心である。国家的に物を考えるということが欠如している」
愛国心について小堀桂一郎さんは「青少年に自ら我が祖国を賛美し、かつ誇らしく人に語りたくもなるような、そんな国造りの意欲を育成することである」といっている(6月26日、産経新聞「正論」)。
政治評論家、屋山太郎さんの話。「父は一高受験のため東京に出たが、祖父が破産して学費が途絶えた。浅草で花札賭博をして生計をたて一高(二回落ちた)に入った。だから私にすべての博打を教えてくれた。負けたときには笑ってお金を払えといった。男の美学を教えたのだと思う」
屋山さんの父親は一見識を持つ人物で、その著「私の喧嘩作法」(新潮社)にはこんな記述がある。「父が国技館に桟敷を持っていた。年に2場所の時代で、その時は学校は休んでいい事になっていた。教師が屋山さんの長期欠席をとがめに来たとき、父は『男同士の真剣勝負を見せる方がよほど教育になる』といったそうである」
気持ちが良かったのは、午後1時半の定刻に始まり午後3時の予定の時間に終わったことである。社会生活をする上で一番基本的なルールである「時間厳守」を実行した
民間教育臨調の運営は見事である。今後が期待できると感じた。 |