2003年(平成15年)4月20日号

No.213

銀座一丁目新聞

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お耳を拝借(77)

帯状疱疹ってこんな病気

芹澤 かずこ

 

 ある日、右の腕と右脇腹の皮膚の感覚がいつもと違いました。子どもの頃に短いスカートで足を寒風にさらしていると、内もものあたりが白い粉がふいたようにカサカサして、皮膚の表面がヒリヒリと痛くなったものですが、ちょうど、そんな感じでした。
 何だろうと気にしているうちに、右のウエストのあたりにポツポツと湿疹が出てきました。もともと蕁麻疹などのアレルギー体質ですが、蕁麻疹にありがちな痒みはなく、相変わらず皮膚がヒリヒリし、右半周に3箇所ほど湿疹が出るに及んで皮膚科を訪ねたところ、即、帯状疱疹だと診断されました。
 ウイルスによるものと聞いて、どこで感染したのかと考えていると、ほとんどの場合、他人からうつされたものではなく、子どものときに罹った水疱瘡のウイルスが体内に潜んでいて、体力が低下してウイルスに対する抵抗力が落ちてくると、このときとばかり活動を始めるのだそうです。ですから、とにかく安静にして体力を回復すると共に、処方された薬をきちんと飲むようにと言われました。鎮痛剤とビタミンB12と抗ウイルス剤が5日分が出ました。この抗ウイルス剤は5日以上飲むと肝臓や腎臓に影響を及ぼすようです。
 身近にも帯状疱疹になった人がいましたので、病名だけは知っていました。非常な痛みを伴うとも聞いていましたが、初期の症状までは聞かなかったので、医者を訪ねたのが少し遅かったようです。湿疹が出来てしまうと、それがやがて水疱になり、その水泡がしぼんでカサブタになるまで、かなりの時間を要するのです。
 私の場合、ツーンと刺すような痛みが水泡がしぼみ始めた頃から始まりました。人によって、また湿疹の出来る場所によって痛みも異なるそうで、特に首から上が痛みが強いようです。皮膚の表面だけでなく、目の角膜や腸の中にも出来るとのこと。目の場合は視力が低下し、腸の場合は下痢になったり血便が出たりするのだそうです。
「熱はありませんか、下痢は?血便は出ていませんね、少しでも痛かったら鎮痛剤を飲むこと、決して病気を侮(あなど)ってはいけませんよ」と診察に行くたびに医師が言うように、きちんと治療しないと後々まで、帯状疱疹後神経痛という痛みが続くこともあるという、厄介な病気でもあるのです。昔はいけないとされていた治療中の入浴が、今では後の神経痛の予防になるというデータが出ているそうで、毎日ぬるめのお湯にゆっくりつかるように勧められました。
 今、2週間目ですから完治まであと1週間か10日はかかることでしょう。それにしても50数年ぶりにとんだ義理堅いウイルスに見舞われたものです。



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