2002年(平成14年)1月10日号

No.167

銀座一丁目新聞

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お耳を拝借(36)

-少子化

芹澤 かずこ

 

 出生率の低下が問題になっています。日本の年間出生率は第2次ベビーブームのピーク時(昭和48年)の209万人以降4割以上も減少しているといいます。(因みに第1次は昭和22年〜24年の2,696,638人)
母校の中学校も、少子化の影響で平成16年には近隣の中学校と統合されることになりました。今まで、廃校とか、統合とかの言葉を耳にしても、まるで他人事でしたが、いざ自分の出身校のこととなると平静ではいられません。
 校名は?校歌は?校章は?それに同窓会はどうなるの?!今まで関心の薄かった少子化問題が俄然身近に感じられるようになりました。

 昔のように学校を出てすぐに家庭に入る女性が少なくなり、共稼ぎも増えています。出産のために一時的に職場を離れても、子供に手がかからなくなると、また仕事を始める人も多くなっていますし、仕事が面白くなって結婚を望まない人も増えているようです。自分たちのことだけ考えるなら、そういう道を選ぶのも良いでしょう。
 しかし、皆が皆、子供を持たない生き方を選択したら国家の将来はどうなるのでしょうか。男女ともに初婚年令が上がり、女性が外で働らき続ければ育て得る子供の数が限られてきます。国家だけでなく家庭内においても、子供の数が少ないということは、子供にとってもあまりよいことではないように思われます。
 親の目が届きすぎて過保護になったり、また反対に育児に手がかからない分だけ外に目が向き放任するケースもあります。
 
 少子化が今や学校の統合など一個人の感傷に留まらず、長寿日本の社会問題にまで及んで、行政はその対策として、子育てと仕事を両立しやすくするための雇用環境の推進とか、教育費の負担とか、生活環境の整備とか、保育サービスの充実とか、社会全体が子供を受け入れていく方向へいろいろと検討を重ねているようですが、これはやはり環境問題と同じで、一人一人の“今なにを成すべきか”という意識の問題が先で、それを行政や企業や地域がバックアップするのが本当ではないかと、思うのですが。



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