花ある風景(46)
並木 徹
藤原 智子監督の映画「夢は時をこえて」−津田梅子が紡いだ絆−の評判が大変よい(本紙は昨年11月1日号 花ある風景で紹介)。全国から何時、どこで上映するかという問い合わせが、映画を製作した日本映画新社にたくさんきている。ここだけの、ちょっとしたいい話だが、この映画は毎日映画コンクールの記録映画部門の賞を取るという噂である。
実はドキュメンタリー映画を上映する場が少ない。優秀な作品であっても同じである。その場をすこしでも広げたいと考え、「ドキュメンタリー映画上映委員会」をつくろうと思案中である。そこで、とりあえず、東京・武蔵野館のオーナー河野 勝雄さんの協力をえて、同委員会主催という形にして、津田梅子の映画を2月10日(土)から2月19日(月)まで10日間、新宿東口にある武蔵野ビル3階、新宿シネマ・カリテ(東京都新宿3−227−10、TEL03-3354-5670)で上映することになった。毎日朝の10時から一回かぎりの上映である。料金は1000円、前売り800円である。
この映画の評判は上映するごとにあがっていく。津田梅子が100年前にまいた種が見事に花を咲かせた。その苦闘の跡がよくわかり、共感できるからである。各界で女性が活躍しているのをみれば、女性は自分たちの時代が来た事を確信することができる。
昨今ほど母親の質が問われる時代はない。「一人の賢母は百人の教師に優る」という。津田梅子が学生の個性の尊重、国際性と自主性を求めた教育は多くの賢母を生んだはずである。この建学の精神が継続されていってほしいと願わざるをえない。その意味でも一人でも多くの映画フアンが劇場に足を運ぶのを熱望する。
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