2003年(平成15年)3月1日号

No.208

銀座一丁目新聞

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追悼録(123)

      先立つ子に友は愚痴らず春寒し 悠々

 数年前、心友の42才の次男坊が死んだときに詠んだ句である。心不全であった。気だてのやさしいスポーツマンであった。部下から慕われ、前途が期待されていたときであった。友人の気持ちは察するに余りあった。
 この2月半ば過ぎ、友人の34才の長男が死んだ。死因は大腸ガンであった。何故分からなかったのかという疑問が湧く。会社の定期健康診断では異常がなかったという。昨年の夏頃、ヘソの下にしこりができたので、病院で細胞検査したところガンと分かった。その時は既に手遅れであった。
 34才といえば働き盛りである。社会部記者であった私などはこの時期が一番充実していた。大型連載企画担当、お后取材グループなどで飛び回っていた。本人も両親もさぞかし残念であったと思う。
 自分を守るものは医者や薬でないことをつくづく知る。自分自身である。身体が少しおかしいと思えばそれなりに対応すればよい。自分の身体は自分が一番よく知っている。何よりも食べ物に気を使う必要がある。薬にたよっては駄目である。「食よく人を養い、食よく病をいやす」という。本人の配慮が欲しかった。それが親孝行につながったはずである。親に先立つのは最大の親不孝である。
 先輩の中尾連一さんの調べによると、ガンによく効く野菜は、カボチャ、キャベツ、小松菜、椎茸、ショウガ、大豆、枝豆、黒大豆、大根、ケチャップ、納豆、ニンニク、人参、ニラ、ピーマン、プロッコリー、マイ茸、ラッキョウ。魚貝類ではマグロ。
 その他では、レバー、リンゴ、焼きリンゴなどとなっている。
 身体が少しおかしいと思ったら、くすりを飲む前に野菜を選んで食べるべきである。何気なく使っている野菜に驚くほどの効果がある。ちょっとした注意だけでよい。それを確実に実行するとしないでは天地の差が出る。


      先立つ子に親は悔いつつ二月尽  悠々

(柳 路夫)

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