1999年(平成11年)10月20日号

No.88

銀座一丁目新聞

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茶説

気になる自自公連立

牧念人 悠々

 日本の政治で気になることがある。それは自自公連立である。国会運営はこれでスムースにゆけるようになったと、自民党は判断しているであろうが、自民党が公明党と組んだ影響がどうでるか心配である。

 もともと、公明党は支持者たちの投票行動からみて、保守性が強いから,自民党とは政策にそんな大きなへだたりがあるとは思えない。心配なのは公明党が宗教政党である点である。

 すでに公明党は開かれた国民政党の方針を打ち出し,党綱領から「王仏冥合」「仏法民主主義」の言葉を削除し,政教分離を強調している。また、他の宗教との協調にも意をつくしている。それなりに努力していることは認める。

 しかし、不安を抱く政治家,有権者が少なくない。先の自民党総裁選挙でも、加藤紘三

さんや山崎拓さんが自自公連立路線を批判して立候補し、予想外の健闘をした。また、世論調査をみても、自自公連立政権への賛否は反対54%、賛成33%(108日付毎日新聞)となっている。どの世論調査をみても小渕内閣に対する支持率が50%をこえる現在、同連立政権反対の54%という数字の持つ意味合いは考えさせられるものがある。この数字は端的にいって公明党に対する漠然たる不安を示している。

 漠然とした不安とは何かといえば、創価学会の名誉会長の存在である。筆者も二回ほどお会いしたことがある。礼儀正しく、魅力的な人物で、リーダーシップある方とみた。しかし、残念ながら外部にはそう映らない。いまなお絶大な権力を握り公明党の人事まで介入しているとみられている。特に公明党の前委員長、竹入義勝さんや同書記長、矢部洵也さんと公明党、創価学会との疎遠ぶりをみていると、奇異の感を与えるとともに、不信を抱かせる。

 この際、名誉会長は、創価学会インターナショナル会長として、いままでより以上に文化,芸術活動に専念された方がいいのえはないかと思う。

 ひとりの男に牛耳られる組織の危うさは、歴史を紐解くまでもない。

 小渕首相は、自分にたてついたとして加藤派を冷遇していると伝えられる。たしかに民主主義は多数決原理であるが、それだけではない。少数意見の尊重も裏づけされている。小渕さんにもっと大人になって欲しい。

日本の政治の発展は,国民の政治への関心の度合いによる。自自公連立の行方も、結局国民の関心いかんによって決まる。

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