1999年(平成11年)9月1日号

No.83

銀座一丁目新聞

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ゴン太の日記帳 (47)

目黒 ゴン太

 甲子園で、夏の全国高校野球大会が始まった。今年の東東京代表は、ずいぶん話題となっている都立城東高校である。話題となる理由は、周知のことであるが、甲子園常連の高校ばかりが、ずっと出場していた中での初出場校であること、そして、何より、私立でなく「都」立の高校としての出場となることである。これは、なんでも10数年ぶりの快挙らしく、度々、TV等で、城東高校の出場に沸く地元の人々の様子が、取りあげられている。

 そして、その中の1つの特集で、地元の人々が、甲子園には付き物の応援団を送り込む為の費用の捻出するために、悪戦苦闘しながらも、球界の為に頑張っている姿を、追いかけているものがあった。そこで、はじめて知ったのだが、甲子園に出て、1試合戦うだけで、かかってしまう費用は、役1千万円程度にもなってしまうそうなのだ。しかも、もし勝ち上がってゆけば、また同じ位の額の費用がかかってしまう訳で、つまり、とんでもなく大きな事業となっているのだ。

 甲子園、その高校野球をする者にとっての夢の舞台で行われるのは、その名の通り、高校生というアマチュアの為の大会である。しかも、ずいぶん以前から、財力のある高校が全国各地の有力選手を、呼び寄せ、良い施設、優れた指導者、環境を与えて、甲子園の常連校として、名声を得るようになっている。もう、都代表、県代表等といっても、一体、どこを代表して出場するのか、わからないようなチームばかりの中において、純粋に都立高校の一野球部が、出場となると、財力にも、環境的にも、私立と比べると、ハンデがあるのは、目に見えてわかるだけに、同情したくなり、応援したくなるのは、当然のことであろう。そして、さらに思うのは、こうした財力のハンデを、都は、ある程度の援助をすることで埋めるということをしてゆけばよいとさえ思う。選手にも、地元の人々も、何の心配もなく、甲子園を満喫できるように……。

 

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