2015年(平成27年)2月20日号

No.636

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茶説

日本記者クラブの『2015年予想アンケート』に寄せて

 牧念人 悠々

 今年もテロ・地域紛争が続発する。人類はなぜかくも争わねばならいのか。異論を承知の上であえて「文明の衝突と21世紀の日本」(訳・鈴木主税・集英社新書・2000年1月23日第1刷発行)を持ちだす。著者サミュエル・ハンチントンはいう。「この新しい世界において、地域の政治は民族中心の政治に、また世界政治は文明中心のとする政治になる。超大国同士の抗争にとってかわって文明の衝突が起きる」と指摘して「重要かつ危険な対立は、社会の階層や貧富の差などをはじめとする経済的な身分の異なる同士の間で起こるのではなく異なる文化的な統一体に属する人びとの間で起こるだろう」と予測した。「イスラム国」と有志連合の戦いは其の予測が的中したといえる。またイスラム文化を見ればイスラム世界で民主主義が生まれない理由が説明できるとも言っている。とすれば「イスラム国」を含めてイスラム系共和国の見通しは暗いといわざるを得ない。今年の世界はどうなるか、恒例の日本記者クラブの「2015年予想アンケート」(10問)を題材としてその一断面を考えてみたい。


@12月31日現在のわが国の首相は誰か。  (     )

 昨年12月の選挙で自民党は公明党とともに衆院で安定多数を確保した。安倍晋三首相は自信を得たであろう。内閣の支持率も50パーセントを維持している。夏の参議員選挙も秋の総裁選挙も無事乗り切れるであろう。

A年内にプーチン露大統領の訪日 (する  しない)

 今後ロシアが国際社会を刺激するような行動をとるかどうかにかかっている。おそらく今年のサミット議長国のドイツはロシアの参加を求めてG8を復活させるであろう。2016年議長国となる日本は楽になるし、来日を約束しているプーチンの訪日が実現できそうでもある。

B年内に瞬間風速で1ドル=140円をこえる円安になることが (ある ない)

 難しい問題だ。昨年10月黒田日銀総裁が「量的緩和をもっとします」と宣言して以来、円安の傾向にあるのは間違いない。現在1ドル=117円台である。5年後以降には140円から150円になると予測する人はいる。 「経済は生き物」である。

C2015年東証大納会の日経平均株価は、2014年大納会の終値(1万7450円77銭)(超える 超えない)

 アベノミックスの効果があったことは間違いない。一時は8000円台であった日経平均株価が1万6,7千台まで回復したのだ。問題は「第3の矢」の成否である。民間の主導で動くしかない。まずは賃上げである。春闘で昨年以上のアップが期待できそうな気配である。地方創生政策、法人税率の低減。規制改革を実行すればGDPの成長が期待でき株価は自然に上がるか・・・

D 原油価格引き上げのためOPECが減産を (決める 決めない)

 原油相場は1バレル100ドルで推移したところ昨年7月ごろから下がり始め、年の明けの相場は1バレル50ドルを割り込んだ。昨年の11月OPECが減産を見送ったのはアメリカのシェールオイルの対抗上が理由である。シェールオイルは原油が高ければ採算が合うが低くなれば採算が合わなくなりシェールオイルの会社は倒産する。まだ一社しかつぶれていない。減産のカギを握るのはアラブ首長国だが、どう出るか。アラブの格言に「成功の半分は忍耐だ」とある。まだOPECの目的を達していない。

E アフリカ大陸でのエボラ出血熱流行の終息をWHOが宣言(する しない)

 エボラ出血熱による死亡者は8000人、感染者は2万6000人を数える。これまで散発的に流行してきたが2014年になって爆発的に流行した。WHOの懸命な活躍で終息に向かいつつある。今年いっぱいはかかるかもしれない。

F 日本人がノーベル賞を受賞(ジャンルを問わず) (する しない)

 昨年も出た問題である。村上春樹さんが文学賞で有力と言われていたが駄目であった。別の分野「化学賞」で3人の日本人が受賞した。今回は・・・

G 戦後70年の今年,オバマ米大統領が広島か長崎を訪問 (する しない)

 中国と「新しい大国関係」を作りたいと考えているオバマ大統領、習金平主席の立場を見れば無理のような気がするが・・・

H テニスの錦織圭選手が4大大会(全豪,全仏、ウィンブルドン,全米)のいずれかで優勝する (する  しない)

 現在錦織選手は世界ランキングが第五位である。本人も「負ける相手はいない」と言っている。それなりに練習も工夫を加えているので今年は期待できそうだ。

I 野球・ソフトボールが東京五輪で正式種目に復帰することをIOCが決定(する しない)

 開催国が今まで実施されていない競技でも申請すればIOCの協議にはかってその競技が実現できるようになった。今回日本IOCは野球・ソフトボールの正式種目にするよう提案するので日本の意向がかなえられると思う。総会で正式に決まるのは来年8月である。