安全地帯(434)
−信濃 太郎−
古い切り抜き帳捨てがたし
物置を整理していたら古い切り抜き帳が20数冊出てきた。10冊ぐらいは処分したがあとは手を付けずそのままになっている。これまで目を通さなかったのだから不要といえばそれまでだ。時間かけて処分するほかないと思っている。平成17年4月ごろの切り抜き帳から「祝長寿」の歌(鉄道唱歌の歌で)と「延寿秘訣長寿十則」が出てきた。
「祝長寿」
1、永い月日の 雨や風 思い出多い 我が人生 時代は移りて
今の世は 老人福祉の 世となりぬ
2、強く明るく 生き抜こう 心豊かに 健やかに くよくよしないで
朗らかに いつもこまめに くらしましょう
3、教育勅語の お諭しを ただ一筋に 守りきて 受けた教えの 数かずを
社会奉仕で 捧げましょう
4、明治、大正、昭和ねん よくぞ今日まで 生きてきた
寺から使いが きたならば 百まで来るなと 追いかえせ
この歌が目につくのだからそろそろという年齢に達したということか。だが、2番の歌の文句を実行しないと「お寺の使い」を追い返すことはできない。坐骨神経症になって以来、“欲“がなくなった。悪く言えば「どうでもよい」という気分である。この歌をかみしめよう。
「延壽秘訣長寿十則」
1、少肉多菜
2、少塩多酢
3、少糖多果
4、少食多噛
5、少衣多浴
6、少車多歩
7、少煩多眠
8、少怒多笑
9、少言多行
10、少欲多施
いずれももっともである。いつに実行にかかっている・・・このところ、少食だが昔から食べるのは人一倍速い。これは治らない。さらに昨今むやみにおやつは欲しがるようになった。意地汚くなった。
同じ切り抜き帳になぜか寺田寅彦の句がしたためてある。死ぬ2年前の作品(昭和10年12月31日死去・享年57歳)
「哲学も科学も寒きくさめ哉」
この切り抜き帳は平成18年5月24日の新聞の切り抜きで終わっている。あと50ページは白紙のままである。まことにもったいない。
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