2014年(平成26年)4月10日号

No.606

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茶説

パラシュート ファミリー

 悠久 無碍



 パラシュート ファミリーと言う言葉を聞いた事が有るだろうか。当地米国ロスアンゼルス地区では、この様な家族が増え続けている。

 最近の日本のニュースを見ると、韓国の慰安婦問題が取り上げられ河野談話の是非をめぐり日韓の関係が凍結していると聞く。私の住む、このアメリカの地の、小さな町の各地で、韓国系米国人が主導して、慰安婦像の設置が容認され始めている。当然の事として、日系米国人はその運動に反対し、慰安婦像の撤去に紛争している。

 何故、直接関係の無い米国で、この様な韓国での過去の出来事を、米国の小さな町々で取り上げられているのだろうか。又、誰がどのような意図でこの様な慰安婦像の設置を推進し始めたのだろうか。私の行き着いた一つの要因として、パラシュート家族の存在が見逃せないのではないかと言う結論に至った。

 パラシュート家族と言うのは、親が自国に住み、子供を他の国に移住させる家族の事である。近年、台湾、中国、韓国など、自分の住む国に異変が起きた時、いち早く他国に逃避出来る様に考えた結果なのか、子供を米国に移住させ、学校教育を受けさせて、いざと言う時には米国に移住出来る様に準備をしている様に、私には見受けられる。

 米国に一人残された子供達は、たくましくこの国で成長し、米国人と同等の教育を受け、社会に巣立って行く。この様な子供たちは、自国の親の感化を受けながら、自国の文化をこの国に植えつけ様と心がけているのである。慰安婦像の設置を推進している人達は、多分、この様な環境の下に成人し、それぞれの小さな市町村で町の市議会に関与し、その市の運営を左右するまでに成長して行った人達だと思われる。

 最近の日本の若者は、海外に旅行する事は好まれて居るようだが、外国に住んで生活をして見ようと考える人々は少なくなって居ると聞く。それだけ日本が平和で暮し易い場所だと言う事ならば、それはそれで有難い事だが、現実の世界の情勢を見、過去の人類の歩みを見れば、平和と言う時代が長く続いた事は、ほんの僅かの期間だ。

 日本に住む人達に私は言いたい。『日本人はもっともっと、若者を海外に移住させ、海外で教育を受けさせるべきだ』と。その事が、国を守り、将来の日本の為に、世界の指導的役割を担える人材を育成する最良の方策と考えるからだ。

 日本の皆様、自分の家族を、パラシュート ファミリーにする事を考えて見てはどうですか。


(海外在住50年八十翁若輩、 本名:高橋正弘)