2014年(平成26年)4月10日号

No.606

銀座一丁目新聞

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安全地帯(426)

湘南 次郎


鎌倉広町緑地付近散策のおすすめ


 現在、鎌倉第一のハイキングコースは、横浜市と接する鎌倉市東側の分水嶺の低山ではあるが、天園コースだ。休日ともなれば、老若男女にオールシーズン人気がある。大げさだが別名、鎌倉アルプスともいわれ、各所で湘南の山、海から富士山を一望に見ることができる約3km、所要3〜4時間のコースだ。ところが市の西側にも片瀬腰越から鎌倉山へ登り、長谷寺、大仏へ連なるコースがあるのはあまり知られていない。最近、市で買収した、「広町緑地」は特に自然を残して、山桜が各所に咲き、ガマの穂やセリが群生し、夏は、蛍が飛ぶ。コースは簡単に歩けるので、ぜひ、おすすめしたい〜3時間あれば結構自然を堪能できる。入口は大船から湘南モノレール「西鎌倉駅」下車、藤沢・鎌倉から江ノ電「七里ヶ浜駅」より徒歩、大船・鎌倉駅よりバス鎌倉山行「旭日が丘」下車(山へ登るのが節約できる)が良い。

 そこから入る緑地は、市が整備中なので途中案内板もあり迷うことはない。標高100m前後の低山歩きだから、スニーカーで気軽に。なお、まことに不親切で申し訳ないが、インターネット「鎌倉広町の森」で案内図など詳細が出て来るので、プランを練ってお出かけになるといい。山は主として七里ヶ浜を取り囲む丘陵地で、鎌倉西郊の展望が良い。水場・トイレは西鎌倉方面入口と大煙突が目標の七里が浜汚水処理場にある。まだ、新しい散策路なので、静かに楽しめると思う。

 鎌倉山の縦走路のバス通りは、昭和初期から源氏山と並ぶ桜の名勝としてゆっくり歩くと面白いところがある。奇妙,奇っ怪「おばけ桜」の大木、日蓮と忍性が雨乞いを競った「日蓮雨乞いの池」、近くには、庭の美しい上行寺、夫婦池公園(昼の弁当に良い)、北条時頼が嫡男時宗(正寿丸)、次男宗政(福寿丸)の息災を願って建てた聖幅寺跡(新田義貞の鎌倉攻め本陣)、鎌倉切り通しでもっとも面影を残す国史跡旧大仏坂切通し、極楽寺、同坂切り通し。荘大な庭園(見学はそばを食べれば無料、一見の価値あり)を持つ蕎麦の「擂亭」、少しお高いがローストビーフの「鎌倉山」、とハイキングにはことかかないし、適当に山歩きもでき、地図で研究して行けば面白い一日コースだ。また、散策の終りを七里ヶ浜駅にして海岸に出れば、天候、ご運が良ければ湘南海岸から富士山と江の島のあいだに沈む夕日に息を飲む。

 余談だが、小生も、その山すその七里ヶ浜に住んでいるので広町緑地散策愛好家だ。最近歳とともにヒザ痛で散歩にアスファルト道はこたえるので土の山道は特に良い。家から緑地まで3分、あとは落ち葉の積もった細い山道だ。小生、この冬からひとりでの山散歩は家内に止められていたが、春になったのでボチボチ歩き始める。毎朝の愛用コースは緑地を横断し、山向こうのファミレスのガストで400円のモーニングを食べ帰って来る。約5000歩、一風呂浴びてこれ最高。ただし、雨あがりは滑るのと、夏は、嫌いな蛇が多いのがたまにきずだ。


山道 蛍のいるセリ群生地 山桜 しだ

(筆者撮影)