2013年(平成25年)12月20日号

No.595

銀座一丁目新聞

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茶説

今年の漢字「人生の余白」来年は・・・

  牧念人 悠々

 日ごろから「過去を忘れて将来を考える」と豪語したのに昨今は迷っている。来年の課題が見つからない。9月に「人生の余白」−陸士59期本科14中隊1区隊史―を自費出版した後、体調を崩したせいもあるが「明日」が見えてこない。暮れの忘年会で友人に「生甲斐オリンッピク開催冬紅葉」を示され、やっと「生涯ジャーナリスト」を目指して7年後まで良質な仕事をして頑張ろうという意欲がわいた。

 「目標東京五輪春待月」悠々

 12月も半ば、北海度に住む友人から「ボケない小唄」などのCDを送ってきた。何事にも積極的なこの友人からの私の心を見すかしたような贈物であった。時々聞くようにしよう。

 「風邪もひかずに 転ばずに
  笑い忘れず よくしゃべり
  頭と足腰 使う人
  元気或る人 ボケません」

 暮れの忘年幹事会(12月12日)で誰かが「これからは教養と教育が大事です」と言った。みんなが怪訝な顔をすると「教養とは今日の用事を作ることです。教育とは今日の行くところを作ることです」と笑わせた。

私は今日一日なすべきことをメモ帳に書き出し一つ一つ消して行くようにしている。映画『利休にたずねよ』は日延べになっている。

 88歳になると友人たちが次々にあの世に行く。吾々の仲間は入校時(陸軍予科士官学校)3017名いたのが物故者1774名、消息不明154名を差し引いて1089名が現存している。今年の死者は87名であった。

 毎日新聞の同期入社の友人9名も2年前に全員亡くなった。私の人生の旅も終わりに近づいてきた気がする。昔の人は「月日は百代の過客にして行かふ年もまた旅人なり」と言った。過ぎ行く月日とともにあの世に旅立った友人たちの顔がつぎつぎに浮かんでは消えてゆく・・・

 「極月南無阿弥陀仏我一人」悠々

 それでも渡辺和子さんの言うように「おかれた場所で美しい花を咲かせる」ほか生きようがあるまいと自分に言い聞かせる。

 「極月余白に花を美しく」悠々。