2012年(平成24年)12月1日号

No.557

銀座一丁目新聞

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安全地帯(377)

相模 次郎


女性は強い!


 先日伊豆へ行く機会があった。膝が痛いので、車であちらこちらの日帰り温泉へ行くのが楽しみだ。どこの風呂でも婦人風呂からは嬌声がきこえ、すぐ、お友達になって賑やかだ。それに引き換え殿方風呂は静粛極まりない。多少の挨拶はあっても、仲間がいなければ会話もなく、タオル頭に黙々と瞑想し、入っている。もっとも本人は、ゆっくり気持ち良く堪能しているのだと思うが。

 天気が良い時は、朝の散歩を日課としている。私自身お会いする人に積極的にご挨拶を心がけているが、簡単な季節の言葉が多い。中には知らん顔の人(男性に限るが、肚の中でこいつは短命だ)もいる。ベンチのある遊歩道は、女性同士あちらこちらでおしゃべりして朝っぱらから賑やかだ。

 過日、NHKで銀さんの4人姉妹の娘さんが登場してお元気なのにビックリした。上は98才、下は89才、平均93才だそうだ。毎日台所や買い物、良く体を動かしてマメだ。みな、ご近所に住み、加えて11時ごろになると一軒に集り、丸いちゃぶ台を囲んで4時間ぐらいをおしゃべりで過ごす。医師が頭の血流を調べるとそのときは活発になるのがわかる。おしゃべりは長寿の秘訣だそうだ。軍隊で歯を見せるなとか、沈黙は金とかいうのは年寄りにはごく悪い。機会を捉え、せいぜいおしゃべりして、ストレス発散した方がいいのだ。

 平均寿命が、男性79.64才、女性86.39才(厚労省発表)だそうだ。どうも男性には三途の川を渡るのが、だいぶ早いようだ。男性は世間の荒波にもまれ、みなを食わせなきゃならないので、骨身(ほねみ)を削っているんだなど言い訳を言うが、女性の多くは子どもを産み、亭主と子どもの面倒を見、定年も無く良く働いている。雑巾ならとっくに擦り切れているだろうに。まして、賞味期限切れのくせに能書きこく亭主の相手など、よく我慢していると思う。

 拙宅のある分譲地は、売り出した時に同年代の連中が一斉に購入したものだから、40年の星霜を経て高齢者がいっぺんに増えてしまった。しかし、女性は強い。ドッコイ生きて行く。失礼だが、後家横町が増えてしまったがサークル活動は活発、ターゲットゴルフ、テニス、ダンス、フラダンス、書道、絵画、コーラス等々趣味のクラブは殆どご婦人がリードしている。

 筆者も86才、もう到底女性のファイトにはかなわない。周囲に同年齢の仲間もいなくなった。日なったぼっこをしながら、読書、パソコン、テレビもいいけれど、健在の愚妻をからかい、娘や孫の来るのを楽しみに、かつての同期生や友人と電話でおしゃべりしたり、会う機会を作ったり、銀座一丁目新聞に投稿したりして、残り少なくなった人生を全う出来れば良いと思っている。
      女性に最敬礼!