2012年(平成24年)11月1日号

No.554

銀座一丁目新聞

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安全地帯(374)

信濃 太郎


切磋琢磨・友人の励まし


 昨今、無為に過ごすことが多くなった。『小人閑居して不善を為す』(大学)。この言葉の最後は『故に君子は必ず一人を慎むなり』と結ぶ。宇野哲人全訳注『大学』(講談社学術文庫)には「この一節は小人の自ら欺くの益なきをのべて一人を慎むべきを説く」とある。そこへ友人の霜田昭治君からメールが届いた。私を励まし、切磋琢磨しているような内容であった。知的刺激を受けたのは言うまでもない。

「書斎派閑居妄言(10月27日)

○尖閣問題
 中国の挑発が日毎に激しくなっています。田中角栄と周恩来の1972年日中共同声明、之を踏まえて締結された1978年の日中平和友好条約を見ますと、どちらにも『両政府はすべての紛争を平和的手段により解決し及び武力による威嚇に訴えないことを確認する』と明記されているので、中国政府は直接手を出さず、尖閣上陸をも視野に入れながら漁民など民間をけしかけて、日本政府の武力出動を誘う魂胆が見え隠れしています。従って自衛隊が不用意に表に出る事は中国の思う壺にはまり、国際世論も日本に不利になるでしょう。
 日本がこの作戦に乗ってこなければ、次の手は前述の共同声明と条約の文面に隠されています。前者では、『ポッダム宣言第8項の堅持』と『国際連合憲章の原則』、後者では『国際連合憲章の尊重』。

「ポッダム宣言第8項」には『「カイロ」宣言ノ条項ハ履行セラルベク云々』とあり、その「カイロ宣言」には

『It is their purpose that Japan shall be stripped of all the islands in the Pacific which she has seized or occupied since the beginning of the First World War in 1914, and that all the territories Japan has stolen from the Chinese, such as Manchuria, Formosa, and the Pescadores, shall be restored to the Republic of China.
(ネット上の仮訳)同盟国の目的は、1914年の第一次世界戦争の開始以後に日本国が奪取し又は占領した太平洋におけるすべての島を日本国からはく奪すること、並びに満洲、台湾及び澎湖島のような日本国が清国人から盗取したすべての地域を中華民国に返還することにある』
    小生注:“澎湖島のような”が曲者、拡張解釈の余地あり。

 問題は「国連憲章」の敵国条項がまだ削除されていないことです。国連憲章第53条第1項後段(安保理の許可の例外規定)と第107条(連合国の敵国に対する加盟国の行動の例外規定)では、第二次世界大戦中に「連合国 の敵国」だった国が、戦争により確定した事項に反したり、侵略政策を再現する行動等を起こした場合、国際連合加盟国や地域安全保障機構は安保理の許可が無くとも、当該国に対して軍事的制裁を課すことが容認され、この行為は制止出来ないとしている。

 日中間の文書によるコミットメントの点では中国が付け入る種があるかと思います。又、日中友好平和条約は一年前の文書予告で終了可能。日本は忍耐強く、国際世論を味方につけて粛々と富国強兵策を進めることが第一、そして国連憲章の敵国条項の削除、並びに米国、ロシア、インドや、中国との領土問題に悩む近隣諸国と連携して中国包囲網を構築していくことが課題だと思います。 その内共産党が院政をしく中国政治体制は内部からの崩壊があろうかと思います。

 中国憲法がその前文で共産党による院政を認めているのはどう見ても不自然ですね。その一節『中国共産党の統率的指導のもとで、各民主党派と各人民団体が参加し、社会主義的勤労者、社会主義事業の建設者、社会主義を擁護する愛国者および祖国統一を擁護する愛国者のすべてを含む、広範な愛国統一戦線が結成されたが、この統一戦線は引き続き強固になり発展して行くであろう」