2012年(平成24年)6月10日号

No.541

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花ある風景(458)

 

市ヶ谷 一郎

 

 女は可愛くなきゃいけないよ
 

 孫娘が結婚式を挙げた。今様(いまよう)の面白い、楽しい披露宴であった。私は娘にも孫娘にも、結婚するのに贈る言葉は「女は可愛くなきゃいけないよ。ダンナだけでなく、みんなに可愛がられるんだよ。」である。果たして「可愛い」という言葉の意味が彼女たちは判っているのかな?齢(よわい)86才ともなればいつお迎えが来るとも限らず、「可愛い」の意味と条件を文書にして渡そうと思ったのである。内々(うちうち)のことでありチョット恥ずかしいがお披露目します。

『オジーチャンの贈る言葉』 (女は可愛くあれ)

元気な夫婦生活ができるよう健康に留意、明朗であること。 
苦楽をともにすることをいやがるな。夫の気持ち、仕事の苦労を察し、陰に 陽に協力すること。そして、楽しいときは共に喜ぼう。悲しいときは共に泣こう。美味い手料理を食わしてやること、歯を喰いしばることも時には必要。
先祖を敬い、親族仲良く笑顔で。
礼儀正しく、「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」から始まる挨拶、目上を敬い、目下を見下げない。感謝の気持ちは「ありがとう」を。
言語明瞭、応対ははっきりと。
信頼と敬愛とで交際を豊かに。分(ぶん)相応に人のために尽くせ。
容姿は端正に、姿勢正しく。
有る、無しにかかわらず金銭にきたなくしない。キリキリした生活をするな。金銭第一ではない。何はなくとも悠々(ゆうゆう)と。
常に勉強、知識を身につけよ。
相手の気持ちを察し、謙譲(けんじょう…へりくだりゆずる)の美徳を持て。
母となったら大黒柱、ドッシリ構えろ。

 なんだか難しいようだが、幸福な結婚生活しているご夫人はみんな守っていることばかり。急がずに自然に身に着いてくるものだから安心していて大丈夫。そして、たまにはこれを読んでオジーチャンやオバーチャンを思い出してくださいね。
「可愛い奥さん」から、「かわいいオバーちゃん」まで、女は死ぬまで可愛くなきゃいけないよ。 


 なお、愛読している産経新聞(5月17日)に婦人運動家故山田わか女史のことを書かいた元東大教授木村凌二氏の前文で面白い記事があった。それは女性の男性観として、一つ目は戦争直後の貧しいときは、よく働く「まじめな男」。二つ目、高度成長期には「やさしい男」にひかれ、三つ目はバブル崩壊、物足らなさを感じ「おもしろい男」にひかれると。しかし、男たちは、時代相を反映せずいつも「かわいい女」が好きと女性観が書かれていた。