2012年(平成24年)6月1日号

No.540

銀座一丁目新聞

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安全地帯(359)

市ヶ谷 一郎


壮大な「うそ」


 「ウソつきは泥棒の始まり」「ウソが通れば道理引っ込む」「ウソをつくと閻魔様に舌を抜かれる」とこどもの時によく言われたものだ。

 「生活の苦しい人にはお金をあげますよ」「高速道路はただにしますよ」「子ども手当もタップリ差し上げますよ」「公立高校は無償化、大学は奨学金拡充しますよ」「医師は1.5倍に」「コンクリートから人へ」「官から民へ」・・・等々、そして、古い仕組みを変へ、すべての人が生きがいと、働きがいを持てるようにすると。内緒でソット教えてくださったのでなく、厚かましくも日本全国にやたらメッタラ党首の入った張り紙、かわら版を出し、ラジオ・テレビ・新聞などPRの限りを尽くしてお知らせしていた。
(註―かげに、選挙で党首をはじめ候補者、有権者を手玉に取ること、法すれすれを掻(か)い潜って地位、蓄財をした代々の親分に仕込まれたソノ筋、居場所が定まらず流れ流れ、最後にやっと腰を落ち着かせた武田信玄の家来になった満身創痍の山本勘助もどきの睨みのきくベテランと称する顔役が、水を得た魚のように黒幕の参謀として暗躍?したのである。おまけに相手は経験の薄い理想先行の政治家希望者、赤子の手をひねるようにこの顔役のウソ八百のおかげで、みな所領安堵、ご恩が忘れられなくなるのである)

 これに国民は、この大盤振る舞いの公約(格好よくマニフェストと言った)にビックリ目をむいた。こんな有り難い党はない。人生バラ色、日本に生まれた幸せに期待の胸を大きく膨らませた。提唱の首領様はこれまた御殿住まいの日本有数の大富豪。あの人なら私財を投げ打ってでも助けてくれるだろう。通称宇宙人。天から神様降臨か。国民は、夢ならさめるなとばかり、首領様の猫も杓子(しゃくし)のいる党の候補者に国民の過半数がこぞって票を入れ、かくて、大勝利を挙げたのである。完全にいっぱい食わされた。要領の悪かった自信過剰の既成政党は油断大敵、とんびに油揚げさらわれた。

 いや、待てよ、うまい話には気をつけろ、との先哲の遺訓がある。落ち着いて冷静に考えればちょっとおかしかったんだ。ちょっとではなく大分だ。国にカネがある訳がないのに、ウソ、ある振りをしたんだ。

 時の首領様は、あとで気がつくてんかん病(やまい)であった。60才づらさげて親から超莫大なお小遣いをもらい、チャラチャラ夫人とファッションショーなどしながら、税金を払うことを知らなかったという無知蒙昧(むちもうまい)の欠陥者。我々なら脱税で家宅捜索、逮捕、罰金、村八分でケツの毛まで抜かれるのに、うらやましいやら悲しいやら。下々(しもじも)の落胆は図り知れぬが本人はまさに宇宙人。払えばいいんだろうと開き直る。おまけに、10年のコンセンサスを無にし、気の毒に沖縄の人々を、振り回して、未だに税金の交通費を使って言い訳を言って歩いて、恬(てん)として恥じぬ病人である。江戸っ子は、金のある奴はケチ(品性下劣)が多いと言うが、こんな男をなぜ要職に着け、赤い絨毯を踏ませ、みんな文句も言わずにいる。「絆(きずな)」はこんな時に使うのか?やくざの親分、子分に似てないか?何かあるのか?ご想像。

 さて、結果は。ついに党一味のケツが割れた。振り込み詐欺か、新興宗教や占い師のマインドコントロールじゃなかったのか?有権者の半数以上がうまく出来もしないウソ八百に乗せられた。閉そく感の弱みにつけこんで○○○○を握られたのだ。かくて、それが証拠に突如、昼間からファミレスにPTAのお母さんたちと思われる方々がたむろし、混雑するようになったのである。つまり、ギネスブックに登録されるような「河内山宗俊」顔負けの稀代の大ウソを平気でついていたのを信用したのであった。ハッキリ言えば騙されたのである。

 気がついたときには、はや手遅れ。国民の目が覚めたのが遅かった。相手は悪(わる)、責任観念ゼロの集団らしかったのであった。おまけに連なる天変地異の大災害発生で足を引っ張られ、身動きとれず、ひな壇で頭を下げて済む問題では無くなり、反省どころか、言い訳の時間に税金を浪費する破目に。そして、黒幕はじめ、初代大富豪も二代目の自称、原子力の碩学(せきがく・・学問の広く深い学者)、学生運動家も処置なし。泥沼からドジョウが出て来てこんにちは。三代目を襲名、只今ドジョウ鍋の下に火が付いてテンテコ忙しい。みんな一生懸命やったと言っているが、反省はサルでもするがそんな時間も無いようだ。

 おまけに人の弱みに付け込んで、なんてら、こうてら意地の悪い周りの国々から暴力団まがいの因縁を吹っ掛けて来る。一刻の猶予もないのに、対する国防の責任者が、賢婦人?に操られる悲しいど素人でウロウロして危なくて目も当てられぬ。また、本人のど素人を知っていながら任命者も極めて無責任な言い訳を言う。受ける方も受ける方だが、冗談じゃないぞ。将棋のコマではない。わが日本をいかにせんだ。

 口は災いのもと、影響は、はかり知れぬ。ウソも方便だが、厚顔で恥を知らずによくしゃべり、無責任にうまく他人に責任転化して平気でよく言うよ。もっとも、「命がけ」,「死を賭して」と言っているのもウソか。昔なら全員切腹か斬首もんだが。開き直りや地位は変わっても、ヤダネッタラヤダネ、それで死んだ人はいないのだ。この調子だとたぶん、みんな火葬場へ行っても口先だけは焼け残るんじゃあないかな。「それを言っちゃあお終いよ」 (葛飾生まれ フーテンの寅)多少品格の無い言辞を弄していますがご容赦ください。