2011年(平成23年)11月1日号

No.519

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茶説

日本で一番の権力者はだれか

 

 牧念人 悠々

 日本で一番の権力者は誰かと質問されたら総理大臣と答えるであろう。週刊誌、テレビ等は勝栄二郎財務省事務次官を挙げて面白くおかしく論じている。各方面に自分の意を受けた仲間・部下を張り巡らしていて野田佳彦首相も操っているという。どうであろうか、私は実力者であるのは認めるが相当に脚色されていると見る。官僚にそれだけの実力者が存在するのは日本にとって悪いことではない。野田首相が舵取りだけ間違えなければよい。総理大臣の権限は強大である。行政権を持つ内閣の長である。行政各部を指揮監督する。言うまでもなく自衛隊の最高司令官である。内閣の職権は国務を総理すること、外交関係を処理すること、条約を締結すること、予算を作成すること、政令を制定すること、大赦、特赦,減刑、刑の執行、免除及び復権を決定することなど多岐にわたる。大臣の任免と罷免権、解散権等を持つ。

 ロシアでは2012年にウラジーミル・プーチン首相が大統領に返り咲く。2008年5月8日プーチン政権で第一副首相を務めていたドミトリー・メドベージェフが大統領になり、大統領であったプーチンが首相になった。この時すでに4年後には再びプーチンが大統領になるとの予想がされていた。2020年まで大統領を続けるというからこちらの方が絶大の権力者である。

 産経新聞(10月17日)に今年、流行のロシアのアネクドートが紹介されていた。「危機は200年ごとにやってくる・・・さて、2012年には何が起きるのでしょう?」
このアネクドート(小話)は史実にもとづく。1612年モスクワのクレムリンを占領したポーランド軍を追い出した。1812年にはモスクワに入城したナポレオンを追い出した。さて2012年は・・・と言うわけである。

 プーチンはまだ59歳、まだまだ働き盛りである。これまでの実績からすれば2012年ロシアには何も起きないであろう。果たしてこう言い切れるか、政治手腕は抜群だから国内的には問題がないであろうが、プーチンの強権的体質からテロは頻発するであろう。対日関係は好転するかもしれない。プーチンは親日家である。ロス五輪金メダリスト山下泰祐さんとは親交があり、「柔道は哲学」と言っている人である。

 心配性の日本人にとってみれば、2012年を待たずに毎年が危機である。今年は東日本大震災に襲われ、国難と言われている。この対応に野田首相はオタオタしている。11月には加入の意向と言われるTPP問題、普天間基地移転問題など早急に結論を出さねばならない。下手をすれば国を二分し、血を流さざるを得ない事態になるかもしれない。『常在戦場』『常に最悪の事態に対処する』心がけを忘れてしまった国である。まだまだ混迷と閉塞感が続きそうである。