2011年(平成23年)8月10日号

No.512

銀座一丁目新聞

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安全地帯(330)

霜田 昭治


私の愛読紙『銀座一丁目新聞』


 この新聞をインターネットに載せている牧内節男君(五九会代表幹事)は昭和五一年のロッキード事件では、毎日新聞社の社会部長を務められ、他紙を圧倒した報道で名を馳せました。山本祐司の『毎日新聞社会部(河出書房新社2006刊)』に「牧内社会部長がいなかったら(あの魅力的な紙面の)あんな報道はできなかった」と当時の平野勇夫編集局長の談話を載せています。捜査当局の口が堅いので、新聞社が自己の責任で独自に調査して報道する『調査報道』の先鞭をつけたのも毎日新聞でした。

 ジャーナリストの鳥越俊太郎氏は次のように語っています。
『毎日新聞で編集局長や出版局長を務められた、牧内節男さんという人がスポーツ日本の社長になって、政治や事件、経済など一般ニュースの記事を大胆に載せるように変えた、その時から、スポーツ紙が面白くなったんです。当然、他のスポーツ紙も後追いをしてその後は大事件の時には一面トップにそのニュースが載ることも珍しくなくなったんですね。』

 前置きが長くなりましたが、牧内君はスポニチ会長を退任された後、平成九年四月、購読無料の電子版『銀座一丁目新聞』を立ち上げました。毎月一日・十日・二十日発行の旬刊紙、八月一日号で五一一号になります。全国紙の電子版は平成十七年頃からですからこれも業界の先鞭をつけました。

 パソコン・インターネットの検索欄に「銀座一丁目新聞」と入力すれば閲覧出来ます。昔の記事(バックナンバー)も入っています。

主なコラムは@牧内君の顔写真入り茶説(論説と同義)(ペンネーム「牧念人」)A追悼録(柳路夫)B花ある風景(並木徹)C安全地帯(信濃太郎)D銀座展望台(ブログ)毎日掲載。どのコラムも朝日の「天声人語」に引けを取らない名筆です。「悠々」の俳号でご自身の俳句や引用句を交えたエッセイや、書評・映画・舞台・絵画展・写真展の率直な感想など幅広い分野に及んでいます。同期生の消息や寄稿文も時々載っています。是非ご覧ください。