2011年(平成23年)6月20日号

No.507

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茶説

首相の顔を見たくないということの意味

 

牧念人 悠々

 国民は不幸だと思う。公開の場で首相が公然と「国会で私の顔を見たくないという国会議員がいる」と何度も発言する。私も見たくない。本当にこの人はわかっていない。厚顔無恥である。明らかに「虚癖症候群」にかかっている。東日本大震災の復旧・復興のスピードの遅さは万死に値する。

 3・11以来、それ以前も含めて菅内閣の不手際は部下を統率したことのない人たちによるものである。指揮官は常に『最悪の事態』を考え対処する。また任務を果たすために、一緒に死んでくれる部下の絶大な信頼をもつ。重大な事態の際、部下は指揮官の顔を見る。悠揚迫らぬ態度に、秘めた決意に部下は安心する。敵が襲来した際、部下はすぐ指揮官の顔を見る。指揮官がタバコでもすっておれば安心する。『剣電弾雨の間に立ち勇猛沈着部下をして仰ぎて富嶽の重きを感ぜしめざるべからず』(『作戦要務令』)。

 菅直人首相にはその富嶽の重さが感じられない。思いつきの連発、すぐに怒鳴る。周りに親しい人物だけを集める。信頼性がない。言葉を巧みに操る。すぐウソをいう。責任もとらない。「顔を見たくない」と言うのはそれだけの理由があるのだ。本来指揮官は顔を見られるものである。「見られたくない」と言われて反省しなくてはいけないのに逆にそれを誇らしげに言うところにこの人の「虚癖症候群」の病の重さが理解できよう。日本の政治の現状はいわば一兵卒が間違って大将になり日本を仕切っているようなものだ。極めて異常事態である。民主主義の世の中である。このような事態はまま起きる。直せばよい。

 早くこの人を首相の座から引きずる落とすほかない。日本国のためにならない。与党民主党でも分かっていると思う。菅首相の存在がすべての問題の障害になっている。その存在そのものが“害”である。本年度の予算を執行するために必要な「特例公債法案」はいまだに成立していない。少なくとも4月はじめに成立しなくてはいけないものだ。それでいて再生エネルギ―法案の成立に意欲を示す。“死に体の人”がすることではない。岡田克也幹事長も安住淳国対委員長も事態の深刻さ認識しているようだ。民主党執行部は早く菅首相を退陣させよ。それが国民のためであり日本のためでもある。