2011年(平成23年)5月10日号

No.503

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安全地帯(320)

信濃 太郎


菅首相抜きの政治が始まっている

 

 このところ友人たちの集まりがかさなった。一つは18人のグループ。もう一つは10人のグル―プであった。いずれの会合でも私は「菅降ろし」の話をした。昔でいえば分隊長(部下12人)にもなれない男が民主主義の世の中のおかげでたまたま首相の座についたに過ぎない。だから自分のやるべきことも分からず取るべき責任もわきまえない。自分の私利私欲で行動する。それが彼の判断基準である。
人間の行動はその人の心からすべて出る。3月11日の東日本大震災以来の菅首相の行動を見てみよ。すべて思いつきであり、場当たり的である。心がこもっていない。思慮が足りず、長期的な視野に欠ける。

 菅首相に統帥ついて語るのは無駄であるかもしれないがそれを承知の上で述べる。軍司令官以上の高級将校の教科書とも言うべき「統帥綱領」(昭和3年3月20日制定)の第二 将帥の項に次のように記されている。

 「軍隊指揮の消長は指揮官の威徳にかかる。いやしくも将に将たるものは高邁な品性、公明の資質及び無限の包容力を具え、堅確の意志、卓越の識見及び非凡の洞察力により衆望帰向に中枢、全軍仰慕の中心たらざるべからず」

 作家の児島襄さんが米陸軍士官学校を訪ねたとき、二人の教官にこの「将軍の条件」を説明したところ、目をむき、口をあけ、やがてため息とともにつぶやいた。「それは『将軍の条件』ではなく『聖者の条件』だ。日本の将軍たちが、それほどの修養と能力を要求されているとは知らなかった」(児島襄著『指揮官』上より)。

 陸士39期、陸大恩賜の草地貞吾大佐はその将軍の条件を忠実に実行された。終戦時、関東軍の参謀で作戦班長であった。このため、シベリアに抑留され、禁固25年の刑に処せられた。この間、東京裁判にソ連側の証人として出廷することを要請されるが、断固として断られた。重労働を強いられ、食べる食事も貧しい極限の状態に置かれても自分の信念を貫かれた。昭和31年、最終の引揚船で帰国、大学に行き勉強をし直されて教育界で活躍された。

 統帥綱領を説くのは菅首相には無理な注文だと思う。それを本人がわかっていないところに悲劇がある。任期いっぱい勤めるというなら彼に何もさせず、棚ざらしにして政治を進めるほかない。野党、与党の一部が連合して問責決議案の提出など陰に陽に菅首相排撃運動を起こすべきである。すでに菅首相抜きの政治は始まっていると聞く。彼がその座にいること自体が日本に破滅をもたらす。民主主義の世、言論の力で倒すほかない。