2011年(平成23年)5月10日号

No.503

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競馬徒然草(187)

―NHKマイルC― 

 

 東日本大震災は、かつてないほどの大きな被害をもたらした。余震もあり、不安な日々が続いた。競馬どころではなかった。停電や節電による電力事情もあり、競馬の開催もできなかった。これほどの異常事態は、かつて経験したこともない。それはともかく、関東や関西で開催されるようになったことには、気分を安堵させるものがある。

 5月8日、東京競馬場では「NHKマイルC」(GT・芝1600)が行われた。震災の後だけに波乱が予想されたが、グランプリボス(1番人気)が優勝し、コティリオン(2番人気)が2着。人気どおりの順当な結果に終わった。波乱を予感させたのに、全く皮肉な結果だ。

 グランプリボスは昨年暮れの朝日杯を勝っているが、その後が4着、3着に終わっている。コティリオンのほうは毎日杯こそ2着だが、その前の「きさらぎ賞」は6着。素直に有力馬の1頭と見るわけにはいかなかった。そんなわけで、レースは多少の波瀾を感じさせたが、結果はこの2頭の1,2着に終わってしまった。レースは皮肉なものだ。
優勝したグランプリボスの父は短距離のスピードで強かったサクラバクシンオー。そのサクラバクシンオーは、先月30日に死亡したばかりだから、今回の優勝が「父にささげる勝利」となった。この馬の今後の短距離レースは注目の必要がありそうだ。
 

(新倉 弘人)