2010年(平成23年)3月10日号

No.497

銀座一丁目新聞

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安全地帯(314)

信濃 太郎


詩「孫から見たおじいさん」

 


 亡くなった弟・敏夫の葬儀(2月24日)の際、孫の渉君が『孫から見た祖父』の弔辞を読んだ。感動したのでそれを詩にしてみた。誰か曲でもつけて歌ってくれたらうれしい。


(1)学校へ行くとき、
   「おう、行ってこいよ」と右手を挙げて
  合図をしてくれました
  帰ってくる時も同じです
  そんな姿がもう見られない

(2)亭主関白でした
  好きな漬物がないと
  「なんでないんだ。買ってこい」と
  怒りました
  そんな姿がもう見られない

(3)テレビとよく喧嘩をしました 高校野球では
  「なんで打ち上げるんだ」
  「バンドもできないのか」と
  テレビに叫んでおりました

(4)おじいさんも年とともに丸くなりました
  私のおむつもかえてくれました
  おばあさんが
  「自分の子供のおむつをかえなかったのに」と
  不満を漏らします

(5)おばあさんとよく喧嘩をしておりました
  どこか頼っていて信頼し感謝していました
  おばあさんが入院した時
  「やっぱりさびしいなあ」と
  漏らしました

(6)おじいさんが亡くなった今 
  高校野球が始まると
  さびしさをより一層感じるでしょう
  私が見たおじいさんは
  誠実で人情に厚く勇気ある人でした