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政権の末期はこういうものだ
牧念人 悠々
民主党政権はどうやら末期を迎えた。本人たちは至極真面目にやっているつもりだが、やることなすことすべてうまくいかない。日本の国をどの方にひっぱてゆくのか確固たる信念がないからだ。次から次に問題が起きる。鳩山由紀夫元首相の「方便」発言、小沢一郎元代表の「党員資格停止」処分、この程度の処分ならもっと早く出せなかったものか、首相のリーダーシップの無さを如実に露呈した。小沢派の比例代表選出衆議院議員16名の反乱、さらには連立を組む国民新党の下地幹郎幹事長は「今国会で郵政改革法案の成立が見送られたら場合には倒閣に動く」と自身の政治資金パーティーで発言する。最大の焦点は本年の予算関連法案の成立できるかどうかである。38兆2千億円の赤字国債を発行するための「特例公債法案」は野党の反対で成立はまずできない。予算が執行できないとなると政権は完全に行きづまる。
外を見れば、日米同盟をないがしろにしたことや尖閣諸島事件で日本政府が中国にへりくだった態度を示したのを見てロシアは大統領が北方領土を訪問するなど実効支配を強めだした。国後島ではロシアと中国の水産会社が合弁事業を始めることに合意する始末である。実はここだけの話だが、ロシアが本当に恐いのは中国だそうである。極東ロシアの人口、現在700万人が2015年には470万に減る。国境の南側の中国・遼寧省、吉林省、黒竜江省には1億以上の中国人が住む。労働力としてシベリアになだれ込んでくる。やがてロシアは中国に飲み込まれるというのだ。このほか北朝鮮という“こすからい”国もいる。4月には前原誠司外相、5月には仙谷由人民主党代表代行がそれぞれ中国訪問を検討していると伝えられる。何を考えているのか。まず国内の難問解決に力を注ぐべきではないか。
最近、名古屋で異変が起きた。税金を10l安くすると言った市長が住民の圧倒的支持を得た。本人は自分の給与を半分にして役所の冗費も節約に努め、大いに努力をした。これを地方の特殊現象と見てはならない。
2011年2月8日の「銀座展望台」は次のように伝える。
『▼菅直人首相の退陣が現実味を帯びてきた。「名古屋ショック」で地方議員から「4月地方選挙は菅首相の下では戦えない」という声が出てきた。さらに3月の予算関連法案が成立がきわめて困難になってきた。衆議院で再可決に必要な3分の2を確保するため社民党との政策協議を優先することを決めたと伝えられる。普天間基地の移設問題でのこじれを考えれば”最後のあがき”としか思えない。「名古屋ショック」は自らも血を流せと教えている。議員定数の削減、報酬の削減等をまず実行せよ。だが、その気が有るとは思えない。民主党の市長候補者は衆議院議員をわざわざ辞めて立候補した人物である。それが大敗を喫した。「天は民主党を見放した」と知るべきである。それでも反省もしない民主党執行部は度し難い。時代の流れが読めない
残念ながら民主党政権は先が読めない。目の前のことばかりに忙殺されている。時代は激流となって激しく動く。菅直人首相は激流の中州にポツンと取り残されているのに全く気が付いていない。菅内閣の支持率は19.9%に落ちた(共同通信)。3月末にはもっと落ちるであろう。
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