競馬徒然草(184)
―ジャパンカップの降―
11月28日、東京競馬場で行われたジャパンカップで、1番人気のブエナビスタ(スミヨン騎手)が、走路妨害で2着に降着となる事件があった。GTの大レースで1着馬が降着となったケースは、どのくらいあるのだろうか。降着制度が導入された1991年以降、1位入線馬が降着になったのは2例あり、今回で3例目ということだ。
ブエナビスタは昨年の秋華賞でも降着処分を受けており、GTで2度の降着という不名誉な記録をつくってしまった。降着となったため、1着で的中となるはずだった馬券14億6375万4000円分は、一瞬にして紙屑となった。
2位入選のローズキングダム(武豊騎手)が繰り上がって1着となったが、4番人気だったため、配当金も大きく変わった。的中させたファンは喜んだ。1着となったローズキングダムの武豊騎手のほうは、優勝は嬉しいには違いないだろうが、「堂々と勝ちたかった」という思いが強かったのではないだろうか。そう思わせるのは、ゴール前で鋭い脚を発揮して見せたからだ。
直線での妨害の不利がなければ、堂々と勝っていただろう。ローズキングダムも武豊騎手も、いまひとつスッキリしない、晴れ晴れとしないものが残ったように思われる。強い馬が人気に応えて堂々と勝つ。そんなレースを見たいものだ。
(新倉 弘人) |