2010年(平成22年)5月20日号

No.468

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安全地帯(284)

信濃 太郎

新聞は鳩山由紀夫首相の退陣を強く求めよ
 

迷走を続ける普天間基地移設問題の深刻さが日本の国民に分かっていないようだ。毎日新聞の世論調査(5月17日)を見ても「普天間基地問題が未決着なら首相は」『退陣すべきだ』が47%に対して『辞任する必要はない』が51%と上回っているからだ。それは日本の新聞が事態の深刻さを的確に報道・解説・評論していないからだと思う。この8ヶ月間の普天間基地移設問題をめぐる鳩山由紀夫首相の発言とその態度によって日米同盟が崩壊に瀕している。ウォールストリート・ジャーナル(アジア版)は米シンクタンク、外交評議会の国際問題研究員、キャロリン・レディさんの次の論評を紹介する。「米国は今後の推移次第で、アジア太平洋地域の安全保障に関して,韓国や豪州、インドなどとの関係強化に方針を切り替える可能性がある」(産経新聞)。このような事態になったら日本は独自で自国を守らなければならなくなる。自衛隊の人員も増やさなければならないし攻撃的装備も増強する必要が出てくる。防衛費は莫大なものになる。核武装も考えなくてはならなくなる。強固な日米同盟が必要なものでもあるのにかかわらずこのような状況の下ではどうすればばよいのか、産経新聞だけがはっきりと「首相は地元の関係自治体に謝罪して現行計画の同意を求めるしか方策は残されていない.そのために辞任するという責任の取り方がある」と主張する(5月14日)。キャロリン・レディさんは「誰にとっても望ましいのは次の首相が現在の流れを覆すことだ」といっている。
 何事も”流れを覆す”は容易なことではない。それには防波堤が必要である。その防波堤が「鳩山首相の辞任」ということである。
 「銀座展望台」(5月13日)に次のように書いた。
 「民主党政権、普天間基地移転問題で迷走続けているところへ今度は小沢一郎幹事長へ東京地検特捜部から事情聴取を求められる。小沢幹事長の不動産購入をめぐる疑惑については国民の不信は大きい。世論調査では80パーセントが『やめるべきだ』と答えている。『政治と金』にはきわめて国民は敏感だ。
 『普天間基地問題の5月決着』が先延ばしされる。5月決着を約束してきた責任はどうするのか。政権への不振、不安感、世に渦巻く。ようやくこの政権は断末魔を迎えたようである。
 5月31日は月曜日。明日から6月である。水無月とも鳴神月ともいう。鳩山由紀夫首相よ、お辞めになるのは31日がよろしいようである」
 日本だけでなくアジア太平洋地域の安全保障を考えたら、日本の新聞は鳩山首相の辞任キャンペーンを張ったらどうか・・・