2010年(平成22年)4月20日号

No.465

銀座一丁目新聞

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花ある風景(380)

並木 徹

 美輪明宏、スポニチのコラムで気を吐く

 
 恒例のスポニチ「文化芸術大賞」の贈賞式に出席する(4月13日・東京ドームホテル)。司会は毎回おなじみの島田良夫さん。明るく、歯切れよく、好感が持てる進行ぶりである。贈賞式・お祝いのパーテーと和やかな中に大いに知的刺激を受けた。大賞が送られた美輪明宏さん(74)はスポニチに日曜ごとに連載している「明るい明日を」で受賞した。このコラムは日本のあるべき姿を分かり易く説く、ユニークなエッセイである。彼女は常に前を向いて評論している。優秀賞が贈られたAKB48の少女たちには「彼女たちは可愛い。平和の時代の良い顔をしている」と褒める。AKB48の「神曲たち」がアルバムTOP10の一位であるそうだ。私は昨年暮れの紅白に出ていたなぐらいの知識しかない。美輪さんは次のように言う。「終戦後は人を突き飛ばすようなたけだけしいかのひとがたくさんいました。今の若者は礼節をわきまえ、言葉遣いも丁寧で謙虚で明るく親孝行という若者がたくさんいる。私は大好きですよ」。私などは今の若者はだらしないと思っているから美輪さんとは考え方や若者との接し方が天と地の差がある。文化社会部長の宮嶋極君に三輪さんを紹介されて雑談を交わしたが人間としての苦労の違いを深く感じた。彼女の判断基準は「常識」ではなく「真理」だそうだ。「常識は、勝てば官、負ければ賊軍で、時と場所によってコロコロ変わるが、真理は永久に変わらない」という。
 もう一人の優秀賞が贈られたのは女優の青木玲子さん(76)。舞台『放浪記』で森光子さんと同じだけの2000回の舞台を踏んできた名わき役である。劇団東宝現代劇の第1期生。芸道50年、そのいぶし銀の演技は人を引き付ける。贈賞の挨拶で昨年暮れスポニチの編集局長・役員をした音楽プロデューサーの小西良太郎君と夫婦役の芝居に出たと話をする。青木さんのようなベテラン女優が奥さん役では、さぞかし頼りない亭主ぶりであったろうと小西君に同情した。
 AKB48は16人が舞台で「会いたかった」「RIVER」「桜の栞」の3曲を歌った。挨拶に立った高橋南(19)の踊りは印象に残った。6月にタイ公演、8月に全国ツアーが予定されているという。今後の活躍を祈る。