2009年(平成21年)10月20日号

No.447

銀座一丁目新聞

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競馬徒然草(167)

―競馬の難しさ― 

 「競馬は難しいね」と、ファンの一人が歎いた。秋華賞でのことだ。競馬が難しいことは昔からのことだが、改めていわれてみると、即座に返す適当な言葉もない。秋華賞の結果からいえば、3番人気までの上位人気馬で決着したのだから、順当といえば順当といえる。だが、枠連も馬連も1300円台の配当になったのだから、意外な好配当といえる。このような結果になった理由は何かといえば、1番人気のブエナビスタと2番人気のレッドディザイアの勝負、と見るファンが多かったからだ。
 早めに抜け出して先頭に立ったのはレッドディザイア。勝つのは間違いないと見られた。追い込み得意のブエナビスタの追い込みも届くまい、と見たファンが多かった。それを鋭く追い込んで、写真判定に持ち込んだ。きわどい写真判定になろうとは、大方のファンは予想しなかっただろう。写真判定にはなったが、追い込んだブエナビスタに分の悪いことは見てとれた。事実、その通りの着順となった。
 しかし、それだけではなかった。安藤勝騎手がブエナビスタを馬群の外に持ち出すとき、他馬の進路を妨害したとして、3着への降着処分になった。これもまたファンにとっては、予想外のことだった。こういうこともあるから、「競馬は難しい」ということになる。
 「運・不運」はつきものだが、多頭数のレースでは特にそうであることを、改めて知らしめたといえるようだ。
 

(新倉 弘人)