2009年(平成21年)1月20日号

No.420

銀座一丁目新聞

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花ある風景(335)

並木 徹

「そして、そこの光があらわれた」・荒木盛雄君旅行記

 友人、荒木盛雄君(医師)からフランス・ストラスブールの旅行記をいただいた。仲間の紳士淑女たちと日本文化を知らせるとともに自分たちの知見を広めるため諸外国の旅を重ねている(松和会海外研修旅行)。今回が11回目である。参加者25名、期間は昨年11月22日から11月29日の間。私は荒木君が旅先で作る俳句を楽しみにしている。旅行記は長文で克明なので私が感じいったところだけを紹介する。
 荒木君ら11月22日午前9時成田空港を出発、22時(現地時間14時)無事フランクフルト空港に到着する。ここからバスで目的地のストラスブールに向かう。「フランクフルト空港はドイツ最大で、現在大規模改造中という。フランクフルトはEUの中心地で人口80万人、緯度は北緯50度、樺太の中ほどに当たる。ライン川の支流マイン川下流にあるが、ライン川は長さ1860km。EUの課題は@通貨A国境をなくすことB教育で、通貨は28の加盟国のうち12ヶ国で使われている。アウトバーンの料金は無料、書いていないところでは制限速度がないという。現地時間18時やっとホテルに到着。ホテルの周りは雪がうっすら積っていた。到着後希望者は私どもの部屋でお茶をたてて飲む」
 11月23日13時30分ストラスブールのプティット・フランスに着く。「1988年世界遺産になったストラスブール旧市街は、ライン川の支流イル川に周囲を囲まれた中州にある。街の南西部イル川の本流が四つに分かれる地帯は、プティット・フランス(小さなフランス)と呼ばれている。バスを下り16世紀の町並みを歩く。クヴェール橋から眺める町並みはいる川に影を映して、美しく静かなたたずまいを湛えていた。建物はボージュ山脈から切り出された木で作られた木骨組身の家(コロンバージュ)が目立つ」
 「冬日浴ぶ赤色砂岩の大聖堂」
 「13時30分ラルザック・ア・カーブルで昼食。その後クレベール広場に行く。ナポレオン時代の軍人クレペールの像が立っていた。広場に一隅に10mを超える一本のモミの木が誇り高くそびえていた。それからグーテンベルグ広場に出る。真ん中には印刷術を発明したグーテンベルグが旧約聖書の一節「そして、そこに光があらわれた」を得意げに広げた彼の像が立っている」
 (この言葉は創世記一章三節にある。「神は『光あれ』といわれた。すると光があった」そのあとこう続く。神はその光を見て、良しとされた。神はその光と闇とを分けられた。神は光を昼と名づけやみを夜と名付けられた夕となり、また朝となった。第一日である)
 グーテンベルグには有名な印刷した四十二行聖書がある。
 11月24日(曇 3度℃・最高5度)がこの旅行のイベントである「茶会」である。会場は商工会議所である。
 「9時会場到着、直ちに全員で会場の準備に大童。10時の開会に間に合う。通訳は弓田そよ香さん。10時 第一回 参加者34名 実演者約10名。
 質問者・4名
 Q・日本人の若い人もみなお茶をやるのか。
 A・お茶が好きな人がやる。
 Q・男性もやるのか。女性と同じ部屋で男性もやるのか。
 A・男性もやる。同じ部屋で。
 11時 第二回(青柳さん) 高校生36人 実演6人
 高校生は5百km離れた所から、3人の先生に連れられて参加したとのこと。その熱意に感動する。扇子・お菓子・人形(縮緬)・根付・紅白のタオル・日本手ぬぐいなどを学校に寄付する。前日に同じ会場でデモンストレーションをしていた遠州流の方が一人見学に来ておられたが、「茶花を全部日本から持ってこられたのですか」と聞かれる。「そうです。前日に揃えました」というと驚いておられました。(略)
 13時 第3回(長谷部さん) 参加者34名 実演6名
 14時 第4回(瀬戸山さん) 参加者38名 実演8人
 質問者・2人(1人はジャーナリスト)
 Q・お茶は一口で言うとなんですか。お稽古は週何回。お茶道具の名称を知りたい。抹茶は買えますか。お茶の本は出ていますか。
 15時 第5回(佐竹さん)参加者48人 実演15人
 NHKテレビが撮影に来ていたが,その映像がどうなったかは残念ながらわからない。16時 第6回 参加者50人以上 実演6人
 最終回は会場一杯にあふれる。
 この後一行はパリ、ノルマンディ、今回の旅行の目的の一つであるモン・サン・ミッシェルを訪れて旅を満喫する。

 屹立のモン・サン・ミッシェル冬の塔
 冬銀河くろがねの城あますなく
 金色のミカエルの像冬深む

 日本の文化を外国に知らせ、広める旅行がこれからも長くつづくよう祈ってやまない。