2008年(平成20年)8月1日号

No.403

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競馬徒然草(143)

―脚部故障のハンデ― 

 馬にとって脚部の故障ほど厄介なものはない。脚部の故障もさまざまだが、特に靱帯断裂ともなると、競走馬にとっては致命的だ。最近の例ではロックドゥカンブがそうで、宝塚記念(12着)のレース中に、左後肢靱帯断裂を発症している。こうなると競走馬生活は不可能なので、競走馬登録を抹消することになった。とりあえず患部の治療に当たり、今後の回復具合によっては種牡馬への可能性も検討するようだ。
 脚部の故障でも骨折の場合は、治れば出走可能なので、まだ現役生活を続けられる。ただし、どれだけの活躍が期待できるかとなると、厳しいものがある。1例は、7月27日に行われた函館記念(GV)。勝ったのは4番人気のトーセンキャプテンだが、骨折の不運を乗り越え、1年5カ月振りの勝利だった。しかも、ゴール前で1番人気のフィールドベアーを鼻差抑えたのだから立派なものだ。この後は、8月24日の札幌記念(GU)へ出走予定のようだ。今度は格上のGU   のレースでもあり、厳しいと見られる。だが、骨折から立ち直った馬として注目してみたいものがある。
 故障のハンデを背負った馬の復活のドラマ。できればそれを見てみたいものだ。ともかく左後肢靱帯断裂などというような最悪の結果だけは見たくない。そう願うがどんなものだろうか。

( 新倉 弘人)

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