2008年(平成20年)6月1日号

No.397

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競馬徒然草(138)

―ダービーの波乱― 

  「オークスも荒れたし、ダービーも荒れる」。こう予想したファンが多かったが、その見方は当たっていた。結果からいえば、1番人気のディープスカイが勝ちはしたが、ゴール前はきわどい勝負だった。鋭い末脚も「届かない」と見られた。ゴール瞬間の映像が映し出されて、そのきわどい勝利が確認されたほどだった。それほどにディープスカイを苦しめたのが人気の低い馬(スマイルジャック)だから、もう少しで大波乱になるところだった。スマイルジャックと同じ4枠にはアドマイヤコマンドがいたため枠連の配当は1000円台で収まったが、馬連の配当は万馬券になった。
 それにしても、直線逃げ粘ったスマイルジャックのスピードと粘りには、ファンも脱帽だ。2000メートルの皐月賞で9着に敗れている。それが距離400メートル延びたダービーで、あれほどのピードと粘りを発揮するのだから、ファンを驚かせたのも無理はない。この馬を新聞の予想欄で無印にした新聞も少なくないから、新聞が提供する情報やデータのあり方についても、ファンからの要望はありそうだ。
 情報の収集や読み方について、改めて考えさせられたファンも多いようだ。そんなことを考えさせるダービーだった。

( 新倉 弘人)

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