2007年(平成19年)8月10日号

No.368

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競馬徒然草(120)

―武豊騎手の新記録― 

 武豊騎手が6月21日、JRA通算2944勝目を挙げ、岡部幸雄元騎手の持つ最多勝利記録を塗り替えた。デビューから20年4カ月での達成で、岡部氏を17年6カ月も上回るスピード記録だ。これまでの成績を振り返ってみる。
 デビューした87年こそリーディング6位にとどまったが、翌88年は2位。3年目の89年には早くも年間勝利数1位になっている。それ以後は、91年(2位)と欧州長期遠征のため国内騎乗が少なかった01年(14位)を除いて、リーディング1位の座を確保している。勝利数も年間100勝以上を挙げ、多いときは200勝を超えるのだから、岡部幸雄元騎手の持つ最多勝利記録を破るのは確実視され、それも時間の問題とされていた。
 その点でいえば、今回の新記録達成は驚くほどのこともないかもしれない。しかし、いざ新記録達成となると、そのことの偉大さを改めて感じさせる。JRAのGTだけを見ても、桜花賞、オークス、皐月賞、ダービー、菊花賞、天皇賞(春・秋)、有馬記念など、勝てないレースがないほどだ。    
 それらのGT勝ち馬はいずれも当時の有名馬。それらの馬に騎乗できた武豊騎手には、大馬主や名調教師に恵まれたことも大きかったといえる。騎手としての技量、人間性によるものだろう。これほどのケースは当分、見られそうにない。今後は海外での活躍も期待したいものだ。

( 新倉 弘人)

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