2007年(平成19年)6月10号

No.362

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茶説

年金漏れの処理が先決だ

牧念人 悠々

 今騒がれている「宙に浮いた年金記録問題」は私は余り関心がない。現に年金を貰っており、厚生年金から国民年金への切り替えもちゃんと果たしている。不満なのは年金から介護保険料を引かれ、その介護保険料が年々高くなる恐れがあることだ。参議院選挙がらみで民主党が鬼の首を取ったように与党を攻めているが、問題なのは、年金漏れを防ぐことだ。
 宙に浮いた年金記録は5095萬件のほか1430萬件の不明のものがある。この中身はすでに死亡した人や納付期間が短く受給資格のない人のデーターも含まれている。氏名の読み間違いや転記間違いもある。たとえば「東」の姓ハ「ヒガシ」「アズマ」とも読める。機械ではこの人は別人となる。名前の場合でも同じである。人間のやること、転記・消却ミスも起きる。平成9年に年金記録を一元化するためにコンビューターを導入した。この一元化は時代の要請であり、政策としては間違っていない。入力過程の作業でミスが発生した。ここで「校閲」の重要性を知っている人がおればこのような失態は起きなかった。紙の「年金台帳」の破棄というばかげたこともしなかった。ここに当時の首脳陣の思慮のなさが問われる。責任も重大である。
 社保庁の役人の対応がきわめて悪い。年金漏れの人に対して自分たちの大きな過失を棚に上げて「領収書を持ってこい」と愛想のない対応をする。相手の立場に立って何とかこの人の年金支給をさせるように努力すれば事を荒げずにすんだ。社保庁を非公務員型新組織にするのは時宜を得ている。社保庁の現場はかなり荒れていると聞く。
 要はみんなで智恵と工夫をして年金漏れをなくすことだ。未統合年金記録の照合は1年で出来る。IT社会の昨今、照合の新システムを開発すれば可能である。いたずらに年金不信と不安を起こさせることではない。与党を窮地に追い込み選挙に勝ちたいという気持ちはよくわかる。だが、困るのは国民だ。民主党も年金問題で国民の不信と不安をあおってばかりいると足下をすくわれかねない。むしろ積極的に解決策を示すべきである。

 

 

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