競馬徒然草(115)
―調教師の手腕―
角居勝彦調教師(43)といえば、今年(07年)のダービーで牝馬のウオッカを優勝に導いた調教師として知られる。牝馬のダービー優勝は、実に64年ぶり。01年に調教師生活を始めた角居調教師にとって、ダービー初挑戦だった。初挑戦で優勝を勝ち取るのだから、その手腕には敬服させられる。
ちなみに、これまで育てたGT馬は5頭いる。シーザリオ(オークス)、ハットトリック(マイルチャンピオンシップ)、カネヒキリ(ジャパンカップダート、フェブラリーS)、ウオッカ(阪神ジュベナイルフィリーズ、ダービー)。このうちウオッカとカネヒキリを除く3頭は、海外GTを制している。
このほか海外GTの活躍馬には、デルタブルースとポップロックがいる。昨年11月に行われたオーストラリア最大のレース、メルボルンカップで、この2頭が上位を独占した。1861年創設という歴史あるレースで、史上初めて日本馬が優勝したのだ。このときには、遠征に出かける前のエピソードが伝えられる。現地で食べる飼い葉を入手して、馬に食べさせていたという。早めに現地の生活に慣れさせようというわけだ。予測できることには早くから対応するという準備のよさが、快挙に結びついている。こうした用意周到さには感心させられる。
牝馬ながらダービーを制覇したウオッカ自身にも、何らかのエピソードがあるだろう。是非聞いてみたいものだ。 (
新倉 弘人) |