2007年(平成19年)2月20号

No.351

銀座一丁目新聞

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競馬徒然草(105)

―おもしろい名前の馬― 

  2007年の中央競馬が開幕した1月6日、京都競馬第2レースで「モチ」という名の馬が勝った。栗東・田中章博厩舎の馬の牡3歳。勝たなかったら、あまり注目されることもなかっただろう。それが勝ったので、ファンにも改めて知られることになった。なんとも変わった馬名だが、「モチは喜びを分かち合う縁起ものであることから馬名にした」とのことだ。命名の意図を聞いて、なるほどとは思うが、馬名としてユニークであることには変わりはない。
 馬名には、カタカナで2文字以上9文字まで、という字数の制限がある。「モチ」などは、最小の字数ということになる。一般的には、もう少し字数の多い名前の馬が多い。試みにいくつかを挙げてみると、こんなのがある。オオアタリ、イカガデスカ、ユメノツヅキヲ、ゲンキイッパイ、ガンコイッテツ、マケテタマルカなど。これらは3歳馬なので、1勝馬や未勝利馬が多い。今後の活躍に期待したいところだ。
 ユニークな名前の馬が最初に注目を浴びたのは、85年のオークスに出走したノアノハコブネだった。28頭立ての21番人気。大方の予想に反して優勝した。単勝6270円はオークス史上最高配当だ。波乱を起こしたことと、風変わりな馬名が相まって、強烈な印象を与えた。現在はあれほどの活躍馬はいないが、オープン馬では、オレハマッテルゼが短距離レースで活躍している。
 馬名はカタカナで2文字以上9文字までという決まりのほかに、過去のGT優勝馬とまぎらわしい名前は付けられないなどの制限がある。そこで馬主は、こうした制約の中で知恵を絞ることになる。変わった名前の馬が必ずしも活躍するとは限らないが、ファンを楽しませることにはなりそうだ。

( 新倉 弘人)

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