2006年(平成18年)7月1日号

No.328

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競馬徒然草(84)

―ディープインパクトの期待― 

  6月25日、京都競馬場で行なわれた宝塚記念は、ディープインパクトが断然の1番人気(単勝1.1倍)に堂々と応えて優勝した。雨でやや重の馬場のため勝ちタイムは2分13秒0と速いものではなかったが、2着馬(ナリタセンチュリー)に4馬身差をつける堂々たるものだった。
この後は、渡欧して仏の凱旋門賞に向かうという。ファンの間ではこの話題が盛んで、「ディープインパクトなら勝てる」という声が多いようだ。「勝てる」とまではいわなくとも、「勝って欲しい」という願望はファン共通のものだろう。だが、実際に勝てるかとなると、甚だ厳しいものがある。
 凱旋門賞における過去の日本馬の成績は、6頭が出走して、そのうち5頭が10着以下と惨敗。世界の厚い壁を知らされたものだ。ただ、唯一の例外は99年のエルコンドルパサーで、2着に健闘している。このエルコンドルパサーは、当事の日本では最強の馬で、凱旋門賞でも期待の高い馬だった。それでも現地の環境に適応させるため早めに渡欧している。日本馬に不向きな深い芝を走るので、日本にいた頃とは走法も変えたといわれる。現地のレースに慣れさせるため、本番前に3戦(GTとGU)してもいる。こうして臨んだ凱旋門賞だった。果敢に逃げ、結果は2着だったが、「あわや」というシーンもあった。
それに比べてディープインパクトの臨戦過程はどうだろうか。エルコンドルパサーとは脚質もレースの進め方も異なるだけに比較は難しいが、興味の持たれるところだろう。

( 新倉 弘人)

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