2006年(平成18年)6月10日号

No.326

銀座一丁目新聞

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競馬徒然草(82)

―後味の悪い安田記念― 

  6月4日に行なわれた安田記念は、前代未聞といっていいアクシデントで、後味の悪いレースとなった。香港馬が3頭出走したのだが、内1頭のザデューク(ダン騎手)が斜行したため、1番人気のオレハマッテルゼ(柴田善騎手)など日本馬3頭に大きな被害を与えることになったからだ。
 まず、ザデューク(ダン騎手)が向正面3コーナー手前で外へ斜行し、インセンティブガイ(横山典騎手)にぶつかった。その影響を受けて外にはじかれたインセンティブガイは、外のオレハマッテルゼ(1番人気、柴田善騎手)と接触することになった。このためオレハマッテルゼは折り合いを欠き、直線で伸びず10着に終わった。ザデューク(ダン騎手)がインセンティブガイ(横山典騎手)に接触したため、直後にいたカンパニー(内田博騎手)も、バランスを崩してつまずいている。ザデューク(ダン騎手)は、外から追い抜こうとしたカンパニーに2度ぶつかっている。ダン騎手はなんともひどい騎乗をしたものだ。
 レースが審議になったのは当然だが、このようなひどい騎乗をしたダン騎手に対する制裁(処罰)は、僅か8万円(5万円と3万円)に過ぎなかったのだから、これまた驚きだ。安田記念は国際レースである。その国際レースで、このようなお粗末な騎乗が見せられるなど、他に例がないだろう。JRAの裁定の甘さにも疑問を抱かせた。「公正な競馬」をモットーにし、裁定にも公正であるはずのJRAがどうしたことか。勝った香港馬のブリッシュライフの強さは認めるとしても、この馬ももし被害を受けていたとしたら、どうだっただろうか。いずれにしても、なんとも後味の悪い安田念だった。と、そんな風に思うのだが、皆さんはどう思うだろうか。

( 新倉 弘人)

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