2006年(平成18年)1月20日号

No.312

銀座一丁目新聞

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競馬徒然草(69)

―「西高東低」は続く― 

 競馬の世界では、「西高東低」の傾向が続いている。そんな中で、関東が唯一、頑張ってきたのは藤沢和雄厩舎の勝利数だった。つまり藤沢和雄調教師が、東西を通じてリーディングトレーナーの首位の座を確保してきた。しかし、昨年は遂にその座から転落して、2位(48勝)にとどまった。「西高東低」の傾向がさらに強まることを示す、象徴的なことといえる。
    首位の座に躍り出たのは関西の瀬戸口厩舎(54勝)。前年の2004年は6位(34勝)だったから、躍進といえる。付け加えれば、上位の5位までを関西が占めている。3位から5位までは、音無(48勝)、森(40勝)、山内(36勝)だ。
    こうした関西勢の活躍を、別の面から眺めてみると、いっそうよく分かる。例えば、GTレースの成績を見てみよう。年間のGTレース数は21。そのうち関西勢の勝利は19勝。他の2勝は外国馬が挙げたもの(スプリンターズSとジャパンカップ)だ。つまり、関東馬はGTレースに全く勝てなかったわけだ。不甲斐ないといえば不甲斐ないし、無様といえば無様といえる。
    関西馬が強いことは一般ファンも承知のことだが、このように記録を示すと、改めて強く認識するだろう。馬券を買うファンの立場からすれば、「GTレースでは、関東馬は狙えない」ということになる。
    さらに付け加える。1月10日に、05年度JRA賞受賞馬が発表された。年度代表馬・ディープインパクト(池江郎)、最優秀2歳牡馬・フサイチリシャール(松田国)、最優秀2歳牝馬・テイエムプリキュア(五十嵐)、最優秀3歳牡馬・ディープインパクト(池江郎)、最優秀3歳牝馬・シーザリオ(角居)、最優秀4歳以上牡馬・ハーツクライ(橋口)、最優秀4歳以上牝馬・スイープトウショウ(鶴留)、最優秀父内国産馬・シーザリオ(角居)、最優秀短距離馬・ハットトリック(角居)、最優秀ダートホース・カネヒキリ(角居)、最優秀障害馬・テイエムドラゴン(小島貞)。
    これらはすべて関西馬で、関東馬はいない。これも「西高東低」物語っている。

( 新倉 弘人)

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