2005年(平成17年)3月1日号

No.280

銀座一丁目新聞

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安全地帯(102)

信濃 太郎

 風邪は万病のもとである

 日頃から「風邪を引く奴はたるんでいるからだ」といっていた。2月23、24両日、風邪でダウンした。寝込む自体珍しい。24日は熱の為何にも食べなかった。食欲が全く起きなかった。風邪を引いたのはここ20数年ない。毎朝、欠かさず冷水まさつをしているからである。50年も続けている。風邪を引いている間でも冷水摩擦は続けた。寝て居ると、気力が萎えるのがよくわかる。このまま肺炎でも起して死んでしまうのではないかといやなことを考える。死神が死期を一歩づつ早めているような気もする。そういえば、鈴木真砂女にこんな句があった。「春着とすせめて病衣の花模様」。25日の朝、格子縞のパジャマが寝汗で濡れた。
 熱は38.9度もあった。79歳にもなれば、病気に対する抵抗力が弱ってきているようである。無理はできない。2月中体を酷使した覚えはない。手帖を見る。2月4日午後3時から大連二中17回生の交友誌「となかい」の発送で友人6人で越中島に集り作業してそのあと飲む。9日夜6時半、紀伊国屋ホールで「こまつ座」のお芝居「円生と志ん生」をみる。15日午後4時から日本エッセイストクラブで講演会に出席。21日府中で午後5時半から同期生5人と雑談会。実にゆったりとしたスケジュールである。これで風邪を引いたとすれば「たるんでいる」としかいいようがない。思い当たる節はない。病気に対する免疫力がなくなってきているのかもしれない。その一瞬の隙を「風邪」が衝いたともとれる。風邪は万病のもとという。これからは免疫力の衰え体に病気が遠慮会釈なくやってきそうである。その前兆とすれば気をつけるほかない。

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